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平成27年度 久留米大学大学院入学式 ―87名が入学―

  平成27年度久留米大学大学院入学式が、4月7日(火曜日)に御井学生会館で挙行され、大学院4研究科の総計87名が入学しました。
 式では、学長告辞、各研究科長の紹介の後、理事長の挨拶が行われました。
  続いて、入学生総代の松崎倫子さん(心理学研究科前期博士課程)が宣誓し、閉式いたしました。

学長告辞入学生宣誓
 

 

【学長告辞】

 春爛漫たる清々しい気候の中、高良山下の御井学舎で開催される平成27年度の久留米大学大学院の入学式に出席し、お祝の学長告辞ができる事を大変嬉しく思います。
 皆さん、久留米大学大学院への入学おめでとうございます。本学の教学を挙げて皆さんのご入学を祝福し歓迎致します。
 去る3月11日と25日に、学位記授与式を行いましたが、大学院卒業の85名の研究者に学位記を授与することができました。この学位記授与数が多いことは、大学の学術研究力を示すパラメーターとして社会的にも評価されますので、大変喜ばしいことです。
 今年は総勢87名の入学があり、学術研究に携わりたい研究者が育ちつつあることを大変嬉しく思います。
 現在は、医系と文系に大学院研究科があり、研究者の希望を叶える事が出来ますが、過去においてはそうではありませんでしたので、久留米大学が学位審査権を得るまでの過程、大学院設置認可までの経緯について述べておきます。
 ご承知のように、現在の久留米大学は昭和3年(1928年)に九州医学専門学校として出発しましたが、総合大学として発展する過程で不足していたのが学位審査権でした。1950年代当時、久留米大学の働きかけに対して、時の文部省は48医科大学中20校のみに審査権を与え、残りの28校には審査権を与えないという方針を変えませんでした。したがって、その頃の研究者は母校に学位審査権がないため、学位審査権を持つ大学、つまり帝国大学で審査を受けなければなりませんでした。
 そこで、学位審査権の獲得に重要な役割を果たされたのが谷口弥三郎第二代久留米大学学長です。谷口先生は、1883年生まれで、私立熊本医学校を卒業され、1915年、32歳の若さで熊本医学専門学校の産婦人科の教授に就任されています。そして、1950年の67歳の時から1952年までの2年間日本医師会会長を務められ、日本医師会会長を退任された1953年、70歳の時から10年間久留米大学第二代学長を務められました。谷口先生は、その間、参議院議員を64歳から79歳まで務められていますので、9年間は参議院議員と久留米大学学長を兼務されていたことになります。谷口先生は、産婦人科医として、優生保護法を成立させるなど国会議員として顕著な業績を挙げられました。
 谷口先生は、学長就任後の1953年、昭和28年に直ちに行動を起こされ、当時の岡野文部大臣に対し、まだ学位審査権のない28校の中の優秀な大学に学位審査権を与えれば他の大学も発奮して研究に励み、それが、ひいては日本の医学の進歩に寄与すると説得されました。その甲斐があって、徳島大、東京医科歯科大、群馬大、神戸大、横浜大、東京医大の六校にも認可が下りました。7校同時ですが、久留米大学は全国で21番目に学位審査権を得た医科大学であることは、誇りとすべき事柄です。
 続いて谷口学長の更なるご尽力で1956年に大学院医学研究科博士課程が設置されました。59年前のことであります。それ以来、医学研究科博士課程では今年3月25日の時点で1191号の学位記が授与されています。
 そして、2001年4月には医学研究科修士課程が、また、文系では優秀な教授陣の充実により、比較文化研究科前・後期博士課程、および心理学研究科前・後期博士課が、2004年4月には、法科大学院法務研究科専門職学位課程が、さらに2005年4月にビジネス研究科修士課程が設置され、優秀な、しかも国際色豊かな研究者が育ち、平成26年度は17名の外国からの留学生に学位を授与できたことは喜ばしい限りであります。
 今年度入学された87名の皆さんは、日本のみならず、外国の方も含めて各分野で将来を担うにふさわしい優秀な人物ばかりと聞いております。
 さて、本格的な知識基盤社会が進展し、国際的な競争が一層激しくなる現在、大学に対する社会からの期待は極めて大きく、社会の様々な分野において活躍できる優秀な人材の育成とともに、大学教育の質の確保と保証が不可欠となっています。
 近年、中央教育審議会のグローバル社会の大学院教育に対する答申で、大学院教育を取り巻く情勢を、二点挙げています。
 一点目は、知識基盤社会が進展し、知識・情報・技術の創造と活用が社会のあらゆる発展の基盤となり、世界が優れた知恵で競い合う時代である。
 今ひとつは、世界の研究・ビジネスの場では、博士号を保有していることが、高度な専門性に裏付けられた資質能力の証しとして必須要件になりつつあると、分析しています。
 したがって、世界に先んじて進む少子高齢化と人口減少を迎える我が国が、将来にわたって成長を続け、世界の中で存在感を発揮し続けるためには、人類社会が直面する未知の課題を世界に先駆けて解決に導き、その成果を世界に展開することの出来る人材の輩出が必要であり、博士過程教育の飛躍的充実が急務であると、答申しています。
 しかしながら、我が国は、自ら認め誇りとしてきた、また世界が認めてきた強かったはずの「知識基盤社会」の競争力で、国際的な比較による博士号取得者の数や被引用度は近年、著しく低下しています。国は、世界で戦える「リサーチユニバーシティー」として研究力の強化の推進、および、研究力と意欲を有する大学の持続的な成長を求めています。したがって、修士過程を選考されている方々は、出来る限り博士過程に進学して戴きたいと希望しております。
 本校もリサーチユニバーシティーとして、一流の大学であり続けるには、質、量とも豊富な学術研究成果が是非必要であり、いかに大学院の改革・強化を進めて行くかが課題であります。ご出席の指導教官の皆様も、我が国の置かれた立場、また本校の現状を十分に理解して戴き、大変なご苦労とは存じますが、是非、大学院生に対する、強力なバックアップをお願いする次第であります。
 最後に、皆さん方が、健康に留意され、スムーズに研究が進展し、決められた期間内で、学位記授与が出来ますことを祈念し、大学院入学式の学長告辞と致します。

久留米大学学長
永田 見生