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動物が栄養環境の変化に適応するための仕組みを解明

 本学分子生命科学研究所・遺伝情報研究部門では、ショウジョウバエをモデルとした研究により、動物が栄養環境の変化に適応するための仕組みの一端を明らかにしました。
 この研究成果は、米科学誌「PLoS Genetics」のオンライン版に掲載されました。
 当研究室では、以前、ショウジョウバエから生理活性ペプチドCCHamide-2を同定しました。今回、CCHamide-2は栄養状態に応じて合成され、インシュリンを分泌させることにより、成長を促進することが分かりました。
 このことから、CCHamide-2は動物の成長を栄養条件と合わせる役割を持つと考えられます。

 飢餓状態で成長を促せば、動物の死につながります。しかし、栄養条件が悪くなるとCCHamide-2のレベルが下がるため、成長が抑えられ、死を免れることができるのではないかと考えられます。
 このように、CCHamide-2による制御は、栄養条件が不安定な環境で生きていくための、重要なメカニズムの1つと考えられます。
  【PLoS Genetics】 http://journals.plos.org/plosgenetics/
  発表論文:Hiroko Sano*, Akira Nakamura, Michael J.Texada, James W. Truman, Hiroshi Ishimoto, Azusa Kamikouchi,
  Yutaka Nibu, Kazuhiko Kume, Takanori Ida, and Masayasu Kojima (2015). The nutrient-responsive hormone
  CCHamide-2 controls growth by regulating insulin-like peptides in the brain of Drosophila melanogaster.
  PLoS Genetics, in press.

 

図1 Ccha2/Ccha2-Rシグナルによる栄養依存的成長制御

図1 CCHa2/CCHa2-Rシグナルによる栄養依存的成長制御

CCHa2は富栄養条件で発現し、脳におけるインシュリン様ペプチドの合成および分泌を促進する。
インシュリン様ペプチドは、個体の成長を促進する。
したがって、CCHa2/CCHa2-Rシグナルは、個体の成長を栄養条件と協調させるはたらきがあると考えられる。