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平成28年度久留米大学大学院入学式を挙行

平成28年度久留米大学大学院入学式が、4月5日(火曜日)に御井学生会館で挙行され、大学院4研究科の総計118名が入学しました。
式では、学長告辞、各研究科長の紹介の後、入学生総代の黄 允磊さん(ビジネス研究科)が宣誓し、閉式いたしました。

 

永田学長の告辞入学生総代の宣誓

 

【学長告辞】

春爛漫たる清々しい気候の中、高良山下の御井学舎で開催される平成28年度の久留米大学大学院の入学式に出席し、お祝の学長告辞ができる事を大変嬉しく思います。

皆さん、久留米大学大学院への入学おめでとうございます。本学の教学を挙げて皆さんのご入学を祝福し歓迎致します。

去る3月23日に、平成27年度の学位記授与式を行いましたが、84名の研究者に学位記を授与することができました。この学位記授与数が多いことは、大学の学術研究力を示すパラメーターとして社会的にも評価されますので、大変喜ばしいことです。

今年は総勢118名と昨年87名に比較して31名の大幅な増加の入学があり、学術研究に携わりたい研究者が育ちつつあることを大変嬉しく思いますし、久留米大学の研究力の向上に必ず繋がると期待しています。

平成27年度の文科省科学研究費補助金の採択件数は全国742校中79位で昨年の82位を3位上回り、私立大学574校中の17位、29私立医科大中11位で、本学の研究は質が高く、全国的に高く評価されていることが分かります。

現在は、医系と文系に大学院研究科があり、研究者の希望を叶える事が出来ますが、過去においてはそうではありませんでしたので、久留米大学が学位審査権を得るまでの過程、大学院設置認可までの経緯について述べておきます。

ご承知のように、現在の久留米大学は昭和3年(1928年)に九州医学専門学校として出発しましたが、総合大学として発展する過程で不足していたのが学位審査権でした。1950年代当時、久留米大学の働きかけに対して、時の文部省は48医科大学中20校のみに審査権を与え、残りの28校には審査権を与えないという方針を変えませんでした。したがって、その頃の研究者は母校に学位審査権がないため、学位審査権を持つ大学、つまり帝国大学で審査を受けなければなりませんでした。

そこで、学位審査権の獲得に重要な役割を果たされたのが谷口弥三郎第二代久留米大学学長です。谷口先生は、1883年生まれで、私立熊本医学校を卒業され、1915年、32歳の若さで熊本医学専門学校の産婦人科の教授に就任されています。そして、1950年の67歳の時から1952年までの2年間日本医師会会長を務められ、日本医師会会長を退任された1953年、70歳の時から10年間久留米大学第二代学長を務められました。谷口先生は、その間、参議院議員を64歳から79歳まで務められていますので、9年間は参議院議員と久留米大学学長を兼務されていたことになります。谷口先生は、産婦人科医としてのキャリアをいかし、優生保護法を成立させるなど国会議員として顕著な業績があります。

谷口先生は、学長就任後の1953年、昭和28年に直ちに行動を起こされ、当時の岡野文部大臣に対し、まだ学位審査権のない28校の中の優秀な大学に学位審査権を与えれば他の大学も発奮して研究に励み、それが、ひいては日本の医学の進歩に寄与すると説得されました。その甲斐があって、徳島大、東京医科歯科大、群馬大、神戸大、横浜大、東京医大の六校にも認可が下りました。7校同時ですが、久留米大学は全国で21番目に学位審査権を得た医科大学であることは、誇りとすべき事柄です。

続いて谷口学長の更なるご尽力で1956年に大学院医学研究科博士課程が設置されました。60年前のことであります。それ以来、医学研究科博士課程では今年3月23日の時点で甲号1210号、乙号2865号の学位記が授与されています。

そして、2001年4月には医学研究科修士課程が、また、文系では優秀な教授陣の充実により、比較文化研究科前・後期博士課程、および心理学研究科前・後期博士課が、2004年4月には、法科大学院法務研究科専門職学位課程が、さらに2005年4月にビジネス研究科修士課程が設置され、優秀な、しかも国際色豊かな研究者が育ち、平成27年度は10名の外国からの留学生に学位を授与できたことは喜ばしい限りであります。

今年度入学された118名の皆さんは、日本のみならず、外国の方も含めて各分野で将来を担うにふさわしい優秀な人物ばかりと聞いております。

さて、本格的な知識基盤社会が進展し、国際的な競争が一層激しくなる現在、大学に対する社会からの期待は極めて大きく、社会の様々な分野において活躍できる優秀な人材の育成とともに、大学教育の質の確保と保証が不可欠となっています。

平成27年12月10日 総務省は総合科学技術・イノベーション会議において日本国民、ひいては世界の人々を、より豊かな未来へと導く羅針盤となることが求められる第五期科学技術基本計画を答申しています。

答申には、現状認識として、21世紀に入り、科学技術は大きな進展を遂げ、情報通信技術(ICT)の急激な進化により、グローバルな環境において、情報、人、組織、物流、金融など、あらゆる「もの」が瞬時に結び付き、相互に影響を及ぼし合う新たな状況が生まれてきている。そして、Internet of Thing(I o T)、ロボット、人工頭脳(Artificial Intelligence AI)、再生医療、脳科学といった人間の生活のみならず人間の在り方そのものにも大きな影響を与える新たな科学技術の進展に伴い、科学技術と社会との関係を再考することが求められ、我が国は経済・社会の構造が日々大きく変化する「大変革時代」とも言うべき時代を迎えていると記載されています。

この基本計画は、「政府、学界、産業界、国民といった幅広い関係者が共に実行する計画」です。内容は、ICTを最大限に活用し、サイバー空間とフィジカル空間(現実世界の事ですが)とを融合させた取り組みにより、人々に豊かさをもたらす「超スマート社会」を未来社会の姿として共有するとあります。

超スマート社会とは、必要なもの・サービスを、必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供し、社会の様々なニーズにきめ細かに対応でき、あらゆる人が質の高いサービスを受けられ、年齢、地域、言語といった様々な違いを乗り越え、活き活きと快適に暮らすことができる社会です。

我が国は、その実現に向けた一連の取組を更に深化させつつ、新たな社会を生み出す変革を強力に推進し、超スマート社会を世界に先駆けて実現していく方針です。

国は、先行きの見通しが立ちにくい大変革時代において、持続的な発展を遂げていくために、国として、いかなる状況変化や新しい課題に直面しても柔軟かつ的確に対応できる基盤的な力を備えておく必要があります。そのためには、高度な専門的知識に加え、従来の習慣や常識にとらわれない柔軟な思考と斬新な発想を持つ人材を育成・確保すると共に、イノベーションの源である多様で卓越した知を生み出す基盤を強化して行くことが不可欠であると答申しています。さらに、国は大学における若手研究者の育成と活躍促進のための取り組みを強力かつ速やかに推進し、大学院教育の改革を大学と産業界との協働により推進すると公表しています。

現在、本学では動物実験センターの立て替えと合体させた百年公園にある分子生命科学研究所の旭町キャンパス移転が決定し、平成30年に竣工予定です。

また、臨床研究支援機構を昨年立ち上げ、研究力の強化と、研究環境を整備し、平成15年に立ち上げ、現在56名の大学院生を擁するバイオ統計センターを活用して、臨床研究を推進するための支援策を実行しています。

本学がリサーチ・ユニバーシティとして発展するには、大学院生などの研究者や卒業後も研究を続ける若手研究者を増やすことと、本学におけるキャリアパスを明確化し、若手研究者がキャリアの段階に応じて高い能力と意欲を最大限発揮できる環境整備が必須と考えています。

皆さんは、自国の行く末を担っている世代であることを自覚して、本日から強い決意を持って、新しい世の中すなわち「超スマート社会」の時代に活躍できる研究者として、まずは学位取得を目指しての勉学に励んでください。そして、修士課程の学生は、事情が許せば、博士課程への進学を期待しています。

ご出席の指導教官の皆様も、我が国の置かれた立場、また本学の現状を十分に理解して戴き、大変なご苦労とは存じますが、是非、大学院生の増加と、院生に対する、強力なバックアップをお願いする次第であります。

最後になりましたが、本日ご来賓としてご出席いただいている学校法人神代理事長をはじめ、法人および職員の皆様方の、本学の研究および大学院に対するご理解、継続的なご支援に厚く御礼を申し上げます。

大学院生の皆さん方が、健康に留意され、スムーズに研究が進展し、決められた期間内で、学位記授与が出来ますことを祈念し、大学院入学式の学長告辞と致します。

   平成28年4月5日

             久留米大学 学長  永田 見生