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新生児黄疸の原因となる生体内の反応機構を世界で初めて解明

~50年以上に亘る謎を分子レベルで解き明かし、治療薬開発に手掛かり~

ビリベルジン還元酵素は血液中に含まれるヘムを分解する最終段階の反応を担う酵素で、ビリルビンという色素を生成します(図1)。ビリルビンは黄疸の原因となる色素で、特に新生児期の重度の黄疸は、脳性麻痺の原因となります。

宮崎大学テニュアトラック推進機構の和田 啓 准教授と本学医学部医化学講座の杉島 正一 准教授は、大阪大学、農研機構、久留米高専、埼玉大学との共同研究により、ビリベルジン還元酵素に基質と補酵素が結合した3者複合体の立体構造を明らかにしました。

酵素としては非常に珍しいことに、二つの基質が一つの基質結合ポケットに結合していました(図2)。またそこから推定される新しい反応機構を提唱しました。今回決定された立体構造は(新生児)黄疸の治療法開発に寄与すると期待されます。

本研究成果は、2017年2月7日(英国時間10:00、日本時間19:00)に英国科学誌Nature Communicationsに掲載されました。

図1.黄疸の主な原因

図1.黄疸の主な原因

ビリルビンの過剰産生や排出異常によりビリルビンが蓄積することにより、黄疸となります。重度の黄疸は脳性麻痺の原因となります。

 

図2.ビリベルジン還元酵素-基質-補酵素の立体構造

図2.ビリベルジン還元酵素-基質-補酵素の立体構造

二つの基質(Distal BV およびProximal BV)と補酵素(NADP+)が同時に結合したビリベルジン還元酵素の立体構造を明らかにしました。またDistal BVはProximal BVをビリルビンに変える触媒であることを提唱しました。