事業概要


文部科学省の平成29年度「私立大学研究ブランディング事業」タイプA(社会展開型)に、本学が申請した「すこやかな『次代』と『人』を創る研究拠点大学へ~先端がん治療・研究による挑戦~」事業が選定されました。
「私立大学研究ブランディング事業」は、学長のリーダーシップの下、大学の特色ある研究を軸として全学的な独自色を大きく打ち出す取り組みを行う私立大学等を重点的に支援する取組みです。(平成29年度は188校中60校(タイプA<社会展開型>:123校中33校、タイプB<世界展開型>:65校中27校)が選定)
地域と共に発展できる研究拠点大学を目指して
本事業は、「先端がん治療研究」をメインに展開しています。そこに、2017年「文医融合」を掲げ開設した「人間健康学部」など「人」をテーマにした学部、大学院研究科等の組織が加わることで、大学を挙げて、地域における妊娠出産・子育て支援から健康増進、疾病予防、高度な医療の開発・提供等に至る生涯サポートを目指しています。また、本学では、がんをテーマとする多彩な研究に取組んでおり、がんの新規診断法や治療法につながる可能性のある研究シーズが多数存在しています。それらのシーズを発掘し、がんの早期発見・診断や治療法開発、さらには予防法へと応用展開を図るとともに、研究者を育成することも重要な目的と位置づけています。
すこやかな「次代」と「人」を創り、地域と共に発展することのできる「研究拠点大学」を目指して事業を推進してまいります。
久留米大学 学長
内村 直尚
新着情報
- 2023年2月24日更新
「第126回カフェで学ぼうがんのこと」を開催しました - 2022年12月28日更新
【研究者インタビュー】医学部解剖学講座 嶋 雄一 教授 - 2022年12月19日更新
第124回カフェで学ぼうがんのこと」を開催しました
研究者のメッセージ

地域に根差した先端研究を
医学の急速な進歩により、「がんイコール死」を想像する時代は終わり、多くのがん患者さんは治療後に社会復帰できるようになりました。しかしながら、後遺症により病気になる前と同じレベルまで回復できない方も多くおられます。 今回採択された事業では、従来から進められているがんペプチドワクチンや進行肝臓がんに対するNew FP療法等の先端的がん治療法の開発をさらに推進し、それらを実践する人材育成を行うことにより、患者さんへその成果を還元することは言うまでもありません。これらに加え、本事業の特色として、学内の優れた研究成果の中から新規治療法や診断法に応用可能なものを発掘し実用化を推進します。また、本年度新設された人間健康学部を含む全学的な取り組みにより、次代を担う若者や一般の方々に対するがん教育・啓発活動を推進し、がん治療中や治療後の方々が安心して生活できる社会、がんになっても安心できる社会創りに貢献してまいります。
地域における「がん教育」「がん診療」を通じた貢献
高校生向け 「がん教育出前授業」
研究ブランディング事業の一環として高校生に「がん教育出前授業」を行っています。
この取り組みは、本学の先端癌治療研究センターなど医学部の教授陣がそれぞれの専門分野を生かした「がん」に関する講義を行い、正しい知識を身につけてもらうことで、高校生という早い段階から、がん予防の意識をもってもらうことを目的に毎年開催しているものです。
地域の「がん診療」の主要拠点として
本学は「がん診療」において地域で重要な役割を担っており、福岡県で唯一のドクターヘリ、高度救命救急センターを擁する久留米大学病院は、2020年4月1日付で「地域がん診療連携拠点病院(高度型)」として指定を受けています。
「地域がん診療連携拠点病院(高度型)」とは、国が指定する「がん診療連携拠点病院」等のうち、医療圏において診療実績及び診療機能が特に優れていると評価された医療機関であり、筑後地区で唯一指定を受けました。
また、2019年9月19日付で、がんゲノム検査やそれに基づいた診断や治療を行うことのできる医療機関として国が指定した「がんゲノム医療拠点病院」(全国で33医療機関が指定:2022年5月現在)にも選ばれています。
久留米大学病院の腫瘍センターを中心に、地域のがん治療活性化のため、がんに関する情報の提供や各医療機関との連携強化、病気に悩む患者さんのサポートなど心の支えとなる活動を行っており、これからも地域のがん治療向上に努めてまいります。