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社会福祉学科開講科目「災害福祉論」講義報告

災害福祉論「公開講座 被災地で支援するということー福島から学ぶー」

 社会福祉学科では、災害福祉論において「被災地で支援するということ-福島から学ぶ-」というテーマで福島県立医科大学前田正治教授を講師としてご講義をいただきました。地域に開かれた公開講座として受講生や社会福祉学科の学生のみならず、卒業生、他学部他学科の教員、地域の方々を含め約130名の参加をいただきました。
講演される前田先生

 

 

 

 

 

 

 

 

※大規模災害における「こころのケア」の重要性を訴える前田先生

前田先生は、2013(平成25)年に現職に着任されるまでは、久留米大学医学部神経精神医学講座に在籍され、主にPTSD に関する臨床研究や精神障害に対するリハビリテーション研究に取り組まれていたことから、当学科精神保健福祉領域の教員を通じて、今回の機会を得ることとなりました。

講義では、地震や津波被害、更に放射線被害のあった福島県特有の被災地住民の苦悩について具体的な例示をいただきながらお話しいただきました。その住民感情の特質性として、喪失の作業と回復(心の切り替えや再スタート)がしづらい「あいまいな喪失;Ambiguous loss」について、また震災後の放射線被害実態の不透明ななか、自主避難という被災者自身の判断に委ねられることで生じる様々な苦悩の存在、又、避難が長期化・慢性化することで生じる家族内の分断・家族間の分断・避難住民と避難先コミュニティとの軋轢等の「コミュニティの分断」によって次第に力を失っていくコミュニティについてお話しいただきました。
前田先生の講演
 

 

 

 

 

 

 

 

※講演される前田先生と熱心に聞き入る学生達

今なお、放射線被害による偏見に苦しむ人々や、飲酒や自殺といった深刻な問題を抱えている人が増え続けており、一般住民を対象とした「こころのケア」の重要性についても言及されていました。生活者の視点に立ったソーシャルワーク、心理社会的および福祉的配慮の必要性について社会福祉を学ぶ学生たちに語りかけてくださいました。

【受講した学生レポートより抜粋】

「被災地では支援者もハイリスクであり、精神的なダメージを受け体調を崩す人もいることを知った。被災者だけに目がいってしまうが支援者のケアも大切だと思った。」

「福島県は津波の被害が大きかった宮城県や岩手県と違い、原発の被害は不可視化的なため現状がとても分かりづらいし原発の被害自体がよくわかっていなかった。」

「6年たっても避難している人がまだまだ大勢いること、避難指示が解除されても帰りたいと思えない人が半数いること、帰っても医療施設などが十分でないこと、様々な問題があることを知った。」

「福島県外に避難した人が偏見を受けたりいじめられたりするニュースもよくあり、被災してつらい思いをして知らない土地にきて偏見を受けるなんて本当に悲しい。被災によるPTSDの症状が少しずつでもやわらぎ、他の地域では放射線への理解が深まって復興に向けてみんなで支えていける社会になることを願う。」

「支援として、アウトリーチや復興における家族支援やコミュニティエンパワメント、ソーシャルワークなどをしていくことが重要であるとわかった。」

なお、同公開講座は2017(平成29)年11月16日に行われたものです。ご報告が大変遅くなってしまったことをこの場をお借りしてお詫びいたします。