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【研究成果】血液中のアミノ酸プロファイルを調べることで、がん免疫療法が有効な患者を選別できることを発見

本学医学部医学科 内科学 呼吸器神経膠原病内科部門 東 公一准教授と、神奈川県立がんセンター、味の素株式会社の共同研究チームの論文が、5月16日The Journal for ImmunoTherapy of Cancer (JITC)に公開されました。

azuma

東先生コメント

「5年前からの研究が実を結びうれしく思っています。遺伝子解析がなかなかうまくいかない局面もありましたが、最後には神奈川がんセンター、味の素株式会社とのチームワークで突破することができました。この研究にはまだ続きがありますので、これからもがんばります

 

発表された研究について教えてください

 進行・再発した肺がん患者の血液に含まれるアミノ酸成分を調べ、免疫の力を利用してがんを攻撃する「免疫チェックポイント阻害剤」の効果を予測する方法を発見したという内容です。


 がん細胞は、免疫細胞 からの攻撃を逃れようとブレーキをかけていて、このブレーキを解除するのが免疫チェックポイント阻害です。京都大の本庶佑特別教授らの研究で開発された「オプジーボ 」もその一つです。
 ただ、こうした薬は効きやすい人と効きにくい人がいて、事前に効きやすい人を予測するための新しい指標を見つける研究が各地で進んでいます。久留米大学では、免疫チェックポイント阻害剤の「オプジーボ」か「キイトルーダ」を使って治療した進行・再発した肺がん患者53人を対象に、患者の血液に含まれる36種類のアミノ酸とその代謝物を解析し、薬の効きを予測する指標を作りました。
 その結果、アルギニン、セリン、グリシン、キノリン酸の4種類のアミノ酸・代謝物の濃度を組み合わせた指標にすれば、高精度に効きやすい人と効きにくい人を分けることができることがわかりました。
 この方法は、治療前に患者の血液を調べるだけなので、患者のストレスも少なく早く効果を予測できます。

今回発表された研究詳細は以下から確認できます。

https://www.amed.go.jp/news/release_20220516-01.html

 

今後の展望

 今回の研究では、免疫チェックポイント阻害剤だけを使った患者を対象にしましたが、現在は免疫チェックポイント阻害剤と 抗がん剤 を組み合わせた治療が進められています。その場合でも今回の指標が当てはまるか、また、胃がんでも応用できるかといった研究も進めています。