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シンポジウム「医療的ケアの必要な子どもが子どもらしく生きるために」を開催

11月30日、私立大学研究ブランディング事業・文医融合プロジェクト研究の一環として、人間健康学部(総合子ども学科)文学部(心理学科)医学部(小児科学講座)の主催により、シンポジウム「医療的ケアの必要な子どもが子どもらしく生きるために」を御井キャンパスで開催しました。

講演会の様子

 
医療技術の進歩により、小児がんなど長期/継続的に入院や治療を受ける子どもが増えていますが、医療的ケアの必要な子どもの多くは「子どもらしい姿」を表出しにくい環境におかれ、発達期に欠かせない遊びや人間関係、教育を充分に受けられずにいるという現状があります。

当シンポジウムでは、神戸松蔭女子学院大学教育学部の谷川弘治教授をお招きして基調講演、さらにさまざまな立場から医療的ケアに携わる専門家4名を全国からお招きしてシンポジウムを行い、子どもたち一人ひとりが「その子らしく」自分の人生に前向きに歩むために必要なことを、皆さまと一緒に考えました。

司会を務めた人間健康学部濵崎学部長 挨拶する永田理事長・学長
(左)司会を務めた人間健康学部の濵﨑裕子学部長 (右)開会の挨拶をする永田見生理事長・学長

基調講演

「こどものこころに寄り添うために」 谷川 弘治 氏 (神戸松蔭女子大学教育学部 教授)


 谷川教授による講演の様子 谷川教授による講演

こどもの入院体験などを例に支援者の専門性やかかわり方、こどもの自立の過程(思春期)での接し方や課題、ロボットを使った新たな取り組みなどが紹介されました。医療的ケアを必要とするこどもたちが自分らしく生活を送るためには課題も多く、自立の過程で、夢、自信、つながり、居場所を失うことのないように、見守りのネットワークを作っていくことの大切さが伝えられました。

シンポジウム

講演:「こどもたちが『主役』『作者』として紡ぐ物語を支えること~チャイルド・ライフ・スペシャリストの実践・視点を通して~」
馬戸 史子 氏 (大阪大学医学部付属病院 チャイルド・ライフ・スペシャリスト)

馬戸氏の講演 馬戸氏による講演

チャイルド・ライフ・スペシャリスト(以下CLS)とは、主に医療の場において、治癒的遊びを主な媒体として、病気・負傷、障がい・喪失等に直面するこどもと家族の心理的苦痛を和らげ、心理社会的ケアを行う医療専門職です。講師の馬戸史子さんは、現在日本に45名しかいないCLSとして活躍されており、講演では現場での体験を交えCLSの役割と実践、またCLSの視点から「医療的ケアの必要なこどもがこどもらしく生きるために大切なこと」についてお話いただきました。

普段CLSとして、「大人の期待・知識・常識・判断・一般的なイメージによる『こどもらしさ』の『レッテル』とならないよう、こどもの個性・可能性・日々の変化と揺れをありのままに肯定し敬意をもって捉える『その子らしさ』の『承認』となるように」、こどもたちとの関わりを積み重ねられ、まさに「こどもたちが『主役』『作者』として紡ぐ物語を支えておられる」実践の様子が紹介されました。


講演:「医療的ケアが必要な子どもを支える~AYA世代の診療経験から~」
田邊 貴幸 氏 (鹿児島医療センター小児科(腫瘍内科) 医師)

田邊氏による講演 田邊氏による講演

鹿児島医療センターの小児科の医師としての経験から、AYA世代(思春期から青年成人)におけるがんのさまざまな症例を紹介、その入院から退院までの心の変化などについてお話いただきました。

そのような子どもたちへの対応は個々の多様性によりさまざまで、主治医や看護師だけでは難しく、多職種連携によるシームレスな支援体制の構築が重要であることが伝えられました。


講演:「こどもらしく生きる」
井本 圭祐 氏 (認定NPO法人にこスマ九州 事務局長)

井本氏による講演 井本氏による講演

小児がん経験者のための支援団体である「認定NPO法人にこスマ九州」の事務局長を務められる井本圭祐氏(ご自身も中学生のときに急性リンパ性白血病を発病され寛解)に、その活動内容などをご紹介いただきました。

医学の進歩により8割以上が治る病気となってきた「小児がん」ですが、退院後はさまざまな悩みをかかえておられることも多く、にこスマ九州で行っている、同じ境遇の仲間との出会いや交流、想いや悩みを共有できる場所を提供するためのさまざまな活動をご紹介いただき、支援者の輪が広がっていく願いを伝えてくださいました。

にこスマ九州HP

活動の様子:Youtubeのリンク


講演:「地域で支える 重い病気や障がいのある子どもたちのいのちと育ち ~福岡子どもホスピスプロジェクトの活動」
濵田 裕子 氏 (NPO法人福岡子どもホスピスプロジェクト代表理事 九州大学大学院医学研究院 准教授)

濵田氏による講演 濵田氏による講演

医療技術の進歩により、重い病気や障がいを抱えて生活する子どもが増加している中、子どもに病気や障がいがあっても安心して子どもを産み育てる環境づくりを支援している「子どもホスピスプロジェクト」の取り組みについてご紹介いただきました。

そこでは、さまざまな啓発活動や、難病児の発達支援、家族・遺族支援、エンドオブライフケア(終末期ケアや緩和ケアを内包するケア)や医療の枠を越えたネットワークづくりが行われています。「ケアリング」とは、他者の成長や自己実現をたすけることであり、単にケアをするだけでなく、そのことをとおして「自己の生の意味を発見し創造していく(自分も学んでいく)」ことに本質があるといったことなどが伝えられました。


4名のシンポジストからの講演の後、谷川教授による講演の総評と、会場からの質疑応答で今回のテーマ「医療的ケアの必要な子どもが子どもらしく生きるために」への理解を深めました。

ファシリテーターを務めた濵崎学部長 シンポジウムの様子

シンポジウムの様子 シンポジウムの様子

講演会の様子

最後に、本学の研究ブランディング事業をとりまとめている先端癌治療研究センター所長の山田亮教授が「これからも事業名にある『すこやかな“次代”と“人”を創る研究拠点大学』を目指して、さまざまな取り組みを行っていきたい」と挨拶し、閉会しました。

挨拶する山田教授 チラシ
(左)閉会の挨拶をする先端癌治療研究センターの山田所長

チラシを大きく表示する (PDFファイル)(193KB)

 

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