学部・大学院のTOPICS 「伊藤洋志氏と考える持続可能な働き方と地域共生」学生、一般市民対象の特別講義・ワークショップ・エクスカーションを開催
11月23日から25日にかけての3日間、久留米大学では次世代の「ナリワイ※」づくりの実践と研究に取り組む伊藤洋志さんをお招きし、特別講義、ワークショップ、エクスカーションを開催しました。学生や教職員、地域住民など、多くの参加者が持続可能な働き方や地域共生について学び、体験する機会となりました。
伊藤さんは『ナリワイをつくる』(東京書籍)の著者として知られ、「ナリワイ」をやりがいと技術が深まる仕事と定義し、持続可能な自営業スタイルを探求しています。本イベントでは、その理念と実践を通じて次世代の働き方について新たな視点が提供されました。
※「ナリワイ」 伊藤さんによる造語表現、一般的表現としては「生業(個々人の生活の糧になる仕事)」
11月23日:特別講義
特別講義は、経済学部文化経済学科の学生を対象とした「環境科学Ⅱ (a)/(b)(食と農からみた環境)」(担当:経済学部文化経済学科 冨吉満之准教授)の授業内で実施されました。「食と遊びから仕事までを自作する」をテーマに、伊藤さんが実践と研究を基にした講義を展開。地域資源の活用や新しい経済活動の可能性についての話が学生たちの関心を引き出しました。この講義を通じて、学生たちは次世代の働き方について深い理解を得ました。
11月24日:床張りワークショップ
久留米大学近くの学生向けシェアハウス「ウメニワ」を会場に、冨吉准教授のゼミ生や一般市民が参加しました。ワークショップでは、久留米大学と連携協定を結ぶ八女市の自然素材を活用し、伊藤さんと共にシェアハウスの床張り作業を実施。地域企業である合同会社H&A brothersや株式会社八女流の協力も得て行われました。手作業を通じて、参加者は持続可能な地域づくりの一端を体験しました。
11月25日:八女市エクスカーション
最終日は八女市を訪問し、森林や製材所を見学。地域資源の活用方法を学ぶ中で、自然とのつながりや、地域と共生する働き方について理解を深めました。
参加者の感想
床張りワークショップに参加した学生は「自分が育った離島にはたくさんの空き家があり、リノベーションに興味を持って勉強しています。今回、実際に道具を使って作業をするのは初めてで、難しいと感じましたが、とても楽しかったです。丁寧に作業をすれば自分たちでもリノベーションができることがわかり、大変勉強になりました。」と感想を話してくれました。
このイベントを通じて、参加者は持続可能な働き方や地域社会とのつながりの重要性を改めて認識する機会を得ました。今後も久留米大学では、地域と共に成長できる学びの場を提供していきます。
講師プロフィール
伊藤洋志(いとうひろし)
著作「ナリワイをつくる」(東京書籍)など。農学修士(森林科学専攻)。2007年より人と環境が相互作用し調和する個人のためのナリワイの考案と実践研究を行う。学術活動としては建築学、人類学での調査研究に取り組む。