学部・大学院のTOPICS 大学病院看護部でコーチング研修を実施しました

久留米大学病院看護部では、看護の質向上や看護師のキャリア形成を目的に、クリニカルラダー制度を導入しています。当院では、ラダーIV・Vに該当するベテラン看護師が看護部全体の約40%を占めており、ラダーIV以上の看護師が、看護技術や知識の伝達にとどまらず、さらに成長し、職場全体の活性化につなげることを目的として「コーチング研修」をレベル維持研修として実施しました。
看護現場では、患者ケアだけでなくスタッフ同士の協力や後輩育成が不可欠です。本研修では、コーチングを通じて自己理解と他者理解を深め、自らのモチベーションや指導力を高め、職場に心理的安全性と信頼関係のある関わりを広げることを目指すものです。看護師一人ひとりが、組織内での自身の役割や価値を再認識し、育成やチームづくりに前向きな影響を与える存在となることを狙いとしています。


講師は、保健管理センター長で本学の産業医である安川秀雄先生です。安川先生は、医学教育研究センター下に新たに設置された「コーチング委員会」の委員長として、メンタルコーチによる学生支援、医学教育へのコーチングの導入、看護部のコーチング研修の実施や、教職員向けコーチング講座EMACSの実施など、医学部のコーチングプログラムを推進しています。
今回は、「看護師ウェルビーイング研修 〜豊かな経験を明日への活力に〜」をテーマに、ラダーIV以上の看護師に研修を実施。仲間とのグループワークによる実践的な学びを通して、ヨガ・マインドフルネス、コーチング、認知的柔軟性などのレジリエンス(自己回復力)介入が、心の状態やウェルビーイングを高めることを受講者に実感してもらいました。










研修を担当した安川先生は、「公私において心身ともに高い負荷がかかる看護の中核を担うベテラン看護師のウェルビーイングが高まれば、医療や看護がより温かい癒やしや活気がある場に変化していくでしょう」と研修をふりかえりました。
受講者からは、「講義だけでなく、ヨガやグループワークもあり充実した研修だった」「実践を通して学べたことで、心理的安全性の大切さを体感できた」「他部署の看護師との対話が新鮮で、自分のことを承認してもらえたことで気持ちが楽になった」「初めて会う人とも、承認やコーチングを通じて心が通じ合う感覚を味わえた」「ヨガやマインドフルネスでリラックスできた。心身が軽くなった」「ヨガで涙が出て、自分が疲れていたことに気づいた。心と体がほぐれた」「承認の大切さ、存在を認めることの重要性を実感した」「自分を見つめ直し、自己分析ができた良い時間だった」「心が救われたように感じた」「承認やコーチングを職場でも活かしたい」「安心して心を開ける関係性づくりが大切だと感じた」など、多くの前向きな声が寄せられました。