学部・大学院のTOPICS 附設中学3年生(55回生)の卒業論文・制作の表彰式・発表会が行われました

附設中学3年生(55回生)の卒業論文・制作の表彰式・発表会が行われました

令和7年度久留米大学附設中学3年生(55回生)による「卒業論文・制作」の表彰式および発表会が執り行われました。

本校では昭和55年度から「研究論文」の取り組みが始まり、平成元年度からは芸術分野も加わった「卒業論文・制作」へと発展しました。中高一貫教育の利点を活かし、中学3年次の集大成として約1年間をかけて各自が専門的な研究や創作に打ち込みます。その成果は例年、全国規模のコンクールで極めて高い評価を得ており、今年度も数多くの輝かしい実績を残しました。



表彰式

2月、本校体育館にて学内選考の入賞者が発表され、表彰式が行われました。

学長賞を受ける伊藤幸太郎さん
学長賞を受ける伊藤幸太郎さん
校長賞を受ける湧田さん
校長賞を受ける湧田さん
各部門賞も発表されました
各部門賞も発表されました

【令和7年度 卒業論文・制作 入賞者】

【学長賞】(人文科学・地理公民)
伊藤 幸太郎「鳥獣害~野生動物との共生を目指して〜」

「幼い頃から祖父母の家でシカやイノシシが身近な存在でしたが、鳥獣害の深刻さを知り、改めて人間と動物の関係に危機感を覚えたのがきっかけです。論文制作では実際にシカの捕獲を手伝ったり、捌く様子を見学したりと、五感を使った体験が大きな糧となりました。この論文を通じて、野生動物に対する人々の認識に、新たな視点を持ってもらえたら嬉しいです。」

【理事長賞】(芸術)
井筒 珠希 自画像「i am...」

「今しか描けないものを残したいと考え、自画像に挑みました。前例のない『アクリル板』という支持体を選んだため、透過性をどう活かすか試行錯誤の連続でした。色彩心理学を学び、自分の内面を客観的に分析して表現に落とし込んでいく過程は、自己再発見の連続でもありました。後輩の皆さんも、前例に囚われず自由な発想で楽しんでほしいです。」

【校長賞】(自然科学)
湧田 琉月「螺旋水車を用いたマイクロ水力発電における発電力向上の方法と将来性について」

「家庭の水道を利用した『マイクロ水力発電』をテーマに、3Dプリンターで5〜10パターンの水車を自作して実験を繰り返しました。屋外実験ゆえに梅雨や故障に悩まされましたが、実験結果から新たな知見を得られた時の喜びは格別でした。計画通りにいかないアクシデントも含めて、中学生活で最も充実した、価値のある経験になったと感じています。」

【板垣賞】(文学)加藤 沙菜 小説「ある食事処から」

「昔から興味があった小説執筆に、卒論という機会を借りて挑戦しました。『人の思いや命は巡っていく』というテーマを、日常的な物体や食事の風景を通して表現することに心を砕きました。プロットの遅れで苦労し、完全に満足できる出来ではありませんが、一作を書き上げたことで自分の願いを叶えることができ、非常に大きな達成感を得られました。」

【小野寺賞】(人文科学・歴史)
溝添 航生「大野城を始めとした古代山城について」

「身近に存在する大野城などの古代山城が、歴史的に果たした役割を解明したいと考えました。九州各地13か所の山城を実際に歩き、専門家へのインタビューを行うことで、文献だけでは得られない視点を得ることができました。現代の半導体工場建設と対比させるなど、自分なりの考察を深めていく過程は、歴史学の面白さを再認識させてくれるものでした。」



(左より)溝添さん、加藤さん、伊藤さん、井筒さん、湧田さん
(左より)溝添さん、加藤さん、伊藤さん、井筒さん、湧田さん

内村学長・町田校長による講評と激励

表彰式では、内村学長と町田校長から受賞者および学年全体へ向けて、熱い講評と激励の言葉が送られました。

内村学長コメント
「学長賞の伊藤さんは現地での聞き取りや実地調査に基づき、人々の心理的境界線まで含めた素晴らしい考察を行いました。理事長賞の井筒さんはアクリルパネルという新たな技法に挑戦し、色彩心理学を用いた客観的分析と独創性を両立させました。皆さんが試行錯誤しながら作り上げた経験は、今後の人生において必ず宝となります。この才能を様々な面で発揮し続けてください。」

町田校長コメント
「急速に進化する人工知能は膨大な知識を持ちますが、人類の特性は自らの知性を磨き上げ、先行世代の知的産物を乗り越えていく力にあります。校長賞の湧田さんは、自作部品を用いた精密な実験により自然科学のプロセスを忠実に実践しました。板垣賞の加藤さんは、文体と主題が見事に一致した高水準の小説を書き上げ、小野寺賞の溝添さんは文献と現地調査を組み合わせて仮説を見事に検証しました。皆さんの努力は、自身の価値を高めるだけでなく、人類の幸福への寄与となる確かな一歩です。」


発表会

表彰式後には、各賞受賞者5名によるプレゼン発表会が行われました。 受賞者は、テーマを選んだ動機から、研究・制作の過程で直面したアクシデント(機材の故障や天候による実験の遅れなど)、それを乗り越えた喜び、そして「タイトルは簡潔に」「計画は余裕を持って」「先生には早めに相談を」といった後輩への実践的なアドバイスまで、熱弁を振るいました。その様子は各教室へ公開され、これから取り組む1、2年生も真剣な面持ちで見入っていました。


発表者自身が作成したプレゼン資料
発表者自身が作成したプレゼン資料
発表の様子は中学生の各クラスにオンデマンド配信されました
発表の様子は中学生の各クラスにオンデマンド配信されました

卒業論文・制作展示

2月13,14日には、全生徒の卒業論文・制作を集めた展示会が行われ、学生、保護者の皆さんが多数訪れました。

【校長賞】(自然科学) 湧田 琉月
【校長賞】(自然科学) 湧田 琉月
作品展で公開されました
作品展で公開されました
【理事長賞】 井筒 珠希 自画像「i am...」は現在貸出中
【理事長賞】 井筒 珠希 自画像「i am...」は現在貸出中
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校外コンクール等の入賞者

今年度も、本校の卒業論文・制作は外部の主要コンクールで高い評価をいただきました。

◎第69回 旺文社主催 全国学芸サイエンスコンクール

  • 金賞・文部科学大臣賞:伊藤 幸太郎(社会科自由研究部門)
  • 金賞:井筒 珠希(絵画部門)
  • 銀賞:加藤 沙菜(小説部門)
  • 入選:西川 宗志(社会科自由研究部門)
  • 大日本印刷学校特別奨励賞:久留米大学附設中学校

◎第69回 読売新聞社主催 日本学生科学賞

  • 全国中央審査 入選2等:湧田 琉月(物理部門)
  • 福岡県審査 最優秀賞:梅谷 心、石井 琉子
  • 福岡県審査 優秀賞:山城 璃空、吉田 樹宗、志村 叶光紀、間端 心太郎
  • 福岡県審査 努力賞:井田 敬佑、田島 諒亮、野口 那由多


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