学部・大学院のTOPICS 自ら学び、未来を切り拓く力を。「マイテー(毎日提出ノート)」の取り組み【附設・英語教育】
「目指すは、自分の頭で考え、自分の力で未来を切り拓く力を育むこと」
そう語るのは、久留米大学附設中学校・高等学校の英語科教諭、藤木克哉先生です。進学校として知られる同校において、藤木先生は生徒たちが卒業後の長い人生を「しなやかに強く」生きていくための土台作りを重視しています。
その教育の柱となっている「マイテー(毎日提出ノート)」を中心とした取り組みについて取材しました。
「習慣最強説」を体現するマイテーの取り組み
藤木先生の指導の核となるのが、学習習慣形成への仕掛けと意識付けです。そのためのツールの一つとして「マイテー」があります。これは福島県の畑中豊先生が名づけられたもので、毎日、見開き1ページを英語で埋めるという自主学習ノートです。
「自分で決める」自律性
マイテーは「見開き1ページを英語で埋めること」だけがルールで、その内容については自由です。授業の予復習から、好きな洋楽の歌詞、ときには鉄道や元素記号といった自分の興味関心に関わることまで、生徒が自ら考えて取り組みます
学習の呼び水
生徒からは「自主学習はあんまり悩まなくてもいいマイテーから手を付けます。おかげで、他の教科の勉強にもスムーズに移行できるんです。」「ノートが溜まっていく達成感もある」という声が上がっており、学習習慣のスイッチとしての役割も果たしています。
「クラスマイテー」での切磋琢磨
マイテーは個人の取り組みですが、ときには「クラスマイテー」というイベントもあります。これは、日々のマイテー課題をクラス全員で共有する一冊のノートに行う、というものです。自分の順番が回ってきたら、その日の課題はクラスマイテーにやり、翌日学校で次の人に手渡します。仲間の創意工夫や努力が可視化されることで、「あいつも頑張っているから自分も」「成績がいい人のマイテーはやっぱりスゴイ…」という、生徒同士が刺激し合う環境を創り出しています。
50分が「あっという間」に過ぎるライブ授業
実際に中学2年生の授業をのぞかせてもらうと、その授業進行は圧巻。リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4技能が瞬時に切り替わり、事務連絡さえも作業の合間に鮮やかに組み込まれています。
取材時には、テイラー・スウィフトの曲が流れる中、生徒たちが自作の英語構文を板書。生徒たちのユーモアを交えた発表に、藤木先生が鋭くも温かい突っ込みを入れ、そこから使役動詞の細かなニュアンス解説へと繋げていく様子が見られました。
息つく暇なく、高い集中力を保ったままに授業が終わると、生徒たちは高揚した頬を緩めて休み時間が流れてゆきます。
藤木先生が目指すのは、生徒が「知的にハングリー」な状態を授業中に作り出すこと。「知りたい」「わかりたい」という欲求こそが学びのエンジンになるからです。多彩な生徒が集う教室でのアウトプット活動を通じ、自分に足りないものや仲間の凄さを知り、良い意味での飢餓感を「もっと頑張りたい」という原動力に変えていく。みんなで勉強していく意味を感じることが、個人の学習姿勢にも大きくつながっていく。
マイテ―で「習慣最強説」を実体験させながら、「しなやかに強く、自分の足で立てる大人」を育てる藤木先生の英語の授業から、「附設が附設たる所以」が垣間見えた気がしました。