研究・産学官連携の研究TOPICS 皮膚のシミの構造を3Dで捉えることに成功(株式会社コーセーとの共同研究)

株式会社コーセーと久留米大学先端イメージング研究センター 太田啓介准教授の共同研究により、ヒト皮膚の、シミ部位におけるメラノサイト(色素細胞)とケラチノサイト(表皮細胞)の立体的な位置関係を初めて捉えることに成功しました。さらに、シミ部位と健常部位におけるメラノサイトの形状の違いを明らかにしました。今回の成果により、さらなる美白メカニズムの解明が期待できます。来春発売予定の美白化粧品に今回の知見が活用される予定です。
今回の共同研究は、本学が2012年に世界で初めてミトコンドリアの正確な3次元構造を解析したことがきっかけとなっています。用いた装置(FIB-SEM:集束イオンビーム走査電子顕微鏡)は、それまで工学分野で、別の目的に使われていましたが、生物の3次元解析に日本では本学が初めて応用しました。
本学では、臨床医学と基礎医学の連携により、インフォームドコンセントのもと、患者さんから皮膚を提供してもらい、FIB-SEMトモグラフィーという3次元解析が可能な最先端の顕微解析技術を用いて観察する環境が整っています。今回のコーセーとの共同研究では、本学形成外科学講座と先端イメージング研究センター、解剖学講座が、シミの本当の姿を3次元的に解析し、いままで誰も知ることがなかった、シミの本質に迫る新しい知見を導くことができました。
研究成果の詳細は以下のコーセーホームページでご確認ください。
株式会社コーセー ホームページ https://www.kose.co.jp/jp/ja/index.html