研究・産学官連携の研究TOPICS 市民公開講座「もっと知って欲しい 子宮頸がんのこと」を開催しました

市民公開講座「もっと知って欲しい 子宮頸がんのこと」を開催しました

2022年7月16日、日本婦人科腫瘍学会と久留米大学先端癌治療研究センターの主催による市民公開講座「もっと知って欲しい 子宮頸がんのこと」がシティプラザで開催されました。

学会の座長を務めた久留米大学産婦人科学講座 牛嶋教授
学会の座長を務めた久留米大学産婦人科学講座 牛嶋教授

この市民公開講座は、7月14~16日の3日間にわたり行われた「第64回日本婦人科腫瘍学会学術講演会(座長:久留米大学産婦人科学講座 牛嶋公生教授)」終了後に一般の方を対象に開催されたもので、若年層に増えている「子宮頸がん」について知ってもらうとともに、それを予防するための「HPV※ワクチン」についても周知することを目的に企画されたものです。

※HPV(ヒトパピローマウイルス)は、子宮頸がんを始め、肛門がん、膣がんなどのがんや尖圭コンジローマ等多くの病気の発生に関わっているウイルスで、近年若い女性の子宮頸がん罹患が増えている。

「子宮頸癌予防のHPVワクチンの積極的勧奨」は、2013年に安全性が疑問視され一旦差し控えられましたが、9年間にわたるさまざまな関係者による働きかけの末、安全性の懸念がクリアとなり接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ることが認められたことから、2022年4月に再開されることとなりました。

公開講座では、推奨再開の働きかけを支援した参議院議員の自見はな子氏、ワクチン接種勧奨が中止になって以降もワクチンと検診の重要性を説かれた横浜市立大学産婦人科宮城悦子教授から、HPVワクチン積極的勧奨再開までの道のりや取り組みなどについて講演しました。

講演する自見氏
講演する自見氏
講演する宮城教授
講演する宮城教授

また、HPVは頭頚部がん(特に中咽頭がん)の主たる原因でもあり、ワクチン接種が子宮頸がんだけでなく男性のがんの予防にも有効であることを、本学耳鼻咽喉科千年俊一教授が解説しました。

講演する千年教授
講演する千年教授
講演する千年教授

講演後には、2014年に子宮頸がん啓発のために公開された映画「いのちのコール ~ミセス インガを知っていますか~」(主演:安田美沙子さん)が上演され、映画の指揮をとった蛯原やすゆき監督などによるパネルディスカッションが行われました。

パネルディスカッション:
横浜市立大学産婦人科 宮城悦子教授
久留米大学耳鼻咽喉科 千年俊一教授
蛯原やすゆき監督(映画「いのちのコール」)
司会: 久留米大学産婦人科学講座 牛嶋公生教授

パネルディスカッションの様子
パネルディスカッションの様子
パネルディスカッションの様子
蛯原監督

蛯原監督からは、「子宮頸がんは、女性だけでなく男性も知っておかなければならない病気。この映画を多くの人に見てもらい、子宮頸がんについてきちんと理解して大切な家族を守るために検診やワクチンの大切さを伝えていってほしい」といったメッセージが伝えられました。

研究TOPICS

TOPICS:市民公開講座「もっと知って欲しい 子宮頸がんのこと」を開催しました