研究・産学官連携の研究TOPICS 疾患モデル研究センター創立50周年記念式典・講演会を開催
3月25日筑水会館に於いて、久留米大学疾患モデル研究センターの創立50周年記念式典・講演会が開催されました。
久留米大学疾患モデル研究センターは、1970年に西日本で初めて設置された歴史ある動物実験施設です。2018年には現在の新研究棟(医学部基礎3号館)に移転して施設設備を拡充し、動物福祉にも配慮した日本でもトップレベルの実験施設となっています。2023年度にはそれまでの「動物実験センター」から「疾患モデル研究センター」と改称し、遺伝子操作した動物実験、培養細胞を使っての研究など、さまざまな疾患モデルを作成し、疾患の予防・治療に寄与すべく取り組んでいます。本学内はもちろん他大学やスタートアップ企業の研究者など、多様な背景を持つ方々に利用していただくことで、地域のオープンイノベーション拠点となることを目指しています。
開設50周年は2020年でしたが、新型コロナウィルスウイルス感染症のため記念行事を延期しており、このたび晴れて50周年記念行事を執り行い、式典には学内外から約100名の関係者が出席しました。
記念式典
式典では、疾患モデル研究センターの西昭徳所長が「動物にも人にも優しい研究環境の提供、動物実験手法や生殖工学・ゲノム編集などのサービス提供、3Rの実践、ベンチャー企業に研究環境を提供し有機的連携による共同研究成果を生み出すこと、これらの役割を果たし、世界の研究をリードするセンターとなるために、ハード面で時代のニーズに対応した研究施設と研究機器の充実に加え、ソフト面での研究支援の充実と研究支援者を育成していきたい」と挨拶しました。
続いて、来賓の永田見生理事長、内村直尚学長、石竹達也医学部長からそれぞれ祝辞が述べられました。
記念講演
記念講演では、システム生物学者として著名な東京大学教授上田泰己氏から、睡眠をテーマにご講演を頂きました。
ヒト睡眠・覚醒リズム研究の現在と未来
~睡眠のリン酸化仮説から睡眠健診まで~
講演前の内村学長の紹介挨拶では、4月より上田先生が特別招聘教授として就任し、久留米大学分子生命科学研究所に個体システム生物学研究部門を開くことが発表されました。
講演は、睡眠健診が全国へ広がっていること、少しずつわかってきた睡眠のメカニズム、睡眠の意義について、上田先生が関わってきた研究の流れとともにわかりやすく講演いただきました。講演後の質疑応答の時間には、基礎の研究教授たちや附設の町田校長、福岡バイオコミュニティの中核を担う久留米リサーチパーク職員などから、さまざまな質問が上がり、上田先生の研究への関心の高さが伺えました。
記念懇親会
記念式典、記念講演の後には懇談会が開かれ、久留米大学病院病院長の野村政壽教授のご挨拶の後、来賓の九州実験動物研究会会長の越本知大様、株式会社久留米リサーチパーク常務取締役の赤尾哲之様よりご祝辞をいただきました。乾杯は、久留米大学大学院医学研究科長の溝口充志教授が音頭を取り、和やかな懇談の様子がありました。
会の最後には、塩澤誠司センター主任から、今後の展望として基礎研究の強化とオープンイノベーション拠点の確立へ向けた決意が述べられ閉会となりました。