研究・産学官連携の研究TOPICS 国際シンポジウムを北京で開催― 経済学部と中国社会科学院の共催 ―

国際シンポジウムを北京で開催― 経済学部と中国社会科学院の共催 ―

経済学部は、9月14日(日)、中国社会科学院人口・労働経済研究所(北京)との共催により、国際シンポジウム「デジタル時代における人口政策の研究フロンティア:中国と日本―人口減少下での生育政策・高齢者政策に関する多様な模索」を北京市にある中国社会科学院人口・労働経済研究所で開催しました。本シンポジウムは、1996年から続く「日中社会経済国際シンポジウム」の第26回目にあたり、両機関が隔年で会場を提供し合いながら継続している伝統ある学術交流です。

本学からは伊佐淳経済学部長をはじめ、原田康平名誉教授、松石達彦教授、小原江里香准教授が参加し、中国社会科学院の研究者とともに、日本と中国が直面する人口減少や高齢化の課題について幅広く議論しました。両国は年金制度の運用、介護のあり方、人口減少下の産業政策、労働市場の変容など共通の課題を抱えています。

開会の挨拶をする経済学部長の伊佐教授
開会の挨拶をする経済学部長の伊佐教授
研究報告をする松石教授
研究報告をする松石教授

原田康平名誉教授は、日本の都市と地方における人口・産業構造の違いをデータに基づき報告し、それぞれの地域に応じた政策対応の重要性を強調しました。会場では熱心にメモをとる中国人研究者の姿も見られました。松石達彦教授は、トランプ関税2.0とドル高是正による日本の年金積立金の管理運用への影響について発表しました。小原江里香准教授は、中国の都市化に伴う都市移住者の居住問題を、日本の高度経済成長期の事例やミクロデータを用いて論じました。これに対して、中国側の若手研究者からは、退職年齢の引き上げや若年層の雇用問題、介護制度の課題といった人口政策の最新動向が報告されました。

研究報告をする小原准教授
研究報告をする小原准教授
閉会の挨拶をする原田名誉教授と王橋教授
閉会の挨拶をする原田名誉教授と王橋教授

閉会にあたり、原田名誉教授は「国家レベルのシンクタンクである中国社会科学院と本学との交流は、規模の違いを超え、それはそれで大きな意義を持つ」と述べ、会場は大きな拍手に包まれました。さらに、今回は本学の協定校である南開大学(天津市)に語学留学中の経済学部の学生2名も参加。研究報告や意見交換に耳を傾け、懇親会にも加わることで、国際交流・学術交流の醍醐味を体験しました。今回のシンポジウムは、日中両国が共有する人口政策の課題について学術的な連携を深めるとともに、若い世代にとっても貴重な国際交流の機会となりました。

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