学部・大学院のTOPICS 米国医師資格試験(USMLE)step1を高得点で合格した定永高幸先生(免疫学講座)からの受験に関するアドバイス

米国医師資格試験(USMLE)step1を高得点で合格した定永高幸先生(免疫学講座)からの受験に関するアドバイス

STEP1:臨床に即した基礎医学中心

インターネットでUSMLE STEP1と検索すれば試験についてや勉強方法などいくらでも情報は出てきます。( https://usmlego.com/←このsiteでは日本語でUSMLEの試験内容、時間、取り組み方に関してもわかりやすく説明してくれています)。日本語での情報はすごく限られておりガラパゴス化している印象もあるので、redditというSNSで情報収集するといいと思います。アメリカ医学生を中心に勉強法や最新情報、裏の話やまとめpdfなどたくさん出てきます。redditでr/step1と検索してみましょう!英語の勉強にもなります。

有名な勉強材料

  • First Aid for the USMLE STEP1 (通称FA、必ず最新年版を!毎年1月末くらいに出版されます。個人的にkindleで1冊と実際に1冊持っておくと検索など楽です。)
  • First Aid Q&A (FAと同じ会社が出版している本の問題集です。1000問程度。問題も古いし簡単だし間違いも入っているのでやる意味はないです。)
  • USMLE-Rx (online問題集 やや易しめ FAと同じ会社が出版しており問題ごとにFAの参照ページが載っています。導入に使いましょう。)
  • UWorld (online問題集 必須!! 本番に一番役に立つ、かつ本番に即した問題集です。できるだけ繰り返し使いましょう。)
  • Amboss (online問題集 最近出てきた問題集 易しい問題からひねった難問まであります。)
  • Pathoma (アメリカ医学生はほぼみんな見ているというビデオ講座です。もちろん全部英語ですが、非常によくまとまっており英語が分かる人にはいいかもしません。)
  • Boards and Beyond (こちらもビデオ講座です。最近出てきており使っている人の話もちらほら見られました。)
  • Anki (記憶定着に使うアプリ 個人的には合わなかったので使ってないです。ZankiやAnkingというすでに作られたdeckもあります。)

それぞれのonline問題集には2500〜3700問程度含まれています。現在も少しずつ増加傾向です。

勉強法

上記を全部やるのは無理なので、FAを買ってonline問題集を解きながら勉強を進めていくことになります。UWorldを全部理解できれば余裕で受かると思いますが、最初からこれに取り組むのはハードルが高い印象です。たぶん挫折します。Rxから始めてFAのどこに何が書いてあるかを把握しながら進めていくのがいいかなと思います。現在はPass/Failで点数が出ないのでAmbossをやる意味はないと言っても過言ではないと思われます。Tutor mode (じっくり考えながらできるmode) と test mode (本番と同様に時間を測ってできるmode) がありますが、まずはtutor modeでじっくり考えながらやりましょう。

1000問ぐらい解くごとにNBMEというUSMLEの問題を作っている会社が出している模試を解くといいです。(NBMEの中のCBSSAという模試になります。) UWorldにも模試がついていますがNBMEの後にやったほうがいいと思います。

以上をまとめるとこれからの典型的な勉強法は、FAを参照しながら Rx → UWorld ということになるかと思います。

USMLEstep1受験に関して後悔していること

・ 歩みが遅くてもやめないこと。

たぶん日本人ならみんなそうだと思いますが、最初は頑張っても1日5-10問くらいしか進みません。単語の意味もわかりませんし、英語が苦手なら読むのも遅いです。単語は調べながらやっていきましょう。いちいちまとめるのも単語帳とかやるのも時間の無駄ですし、数千問やるので自然と覚えます。ゆっくりですがあきらめずにやればスピードは上がってきます。あと、大事なのは完璧を目指すよりもとりあえず終わらせること!!です。あんまりいい加減に解いていっても意味がないですが・・・。

・ NBMEで合格点の近くまできたら思い切って申込みをすること。

とにかくまずは模試を受けることです!1000問くらい解いた時点で最初に受けてみるのがいいと思います。最初は非常に悪い点を取ることになるかもしれませんが、問題は最後の結果だけです。途中経過を測るだけなので気にせず受けましょう。時間もなかなか足りないです。申し込みすればやる気が出ますしやる気が出れば点数もそれなりに伸びると思います。

・ 学生の間にstep1は終わらせておけばよかった。 (step2ckまでいけたらすごくよかった。)

自分は初期研修2年目に受験しましたが、勤務で疲れてるし、当直もあるしで色々と大変です。何よりも仕事と関係ない勉強なので悲しくなると思います。自分はアルコール酩酊の患者さんの低血糖を見つけた時にNADHが増加してるからオキサロ酢酸からの糖新生が抑制されているなどと思って楽しんでいたので向いていたかもしれませんが・・・。特にstep1は基礎医学が多いので臨床経験があるからといって点数があがることはほぼないと思います。学生の間に何が何でも受けてしまったほうがいいです。

最後に

USMLE受験に関しては焦る必要ないかと思います。皆さん点数に目が行きがちですが、点数は米国レジデンシーマッチング時のfactorの一つにしかなりません。しかも現在はPass/Failであり、step1はlow-costで合格してstep2ckに集中した方がいいと思われます。しかも、推薦状や面接に呼んでもらえるコネクションの方が圧倒的に大事で、その他にもVisa statusであったり、大学での成績(すべてAが望ましいです。Cはないほうがいいです)、研究活動歴、論文執筆、ボランティア歴(短期ではなく長期で行いましょう。) などたくさんすることがあります。とにかく全てにおいて英語力が必要となってきます。低学年の方はまずTOEFL ibtを受験して100点以上を目指しながら上記の活動に取り組むといいと思います。TOEFL ibtに関してはここに詳細は記述しませんが、こちらもインターネットにいくらでも情報が載ってますので見てみるといいかと思います。USMLEに関してはCBT受験後から本気で始めるぐらいでいいです。それまでは英語と大学の勉強、その他の課外活動に専念しましょう。step2ckに関しても書けるように頑張ります。

定永高幸先生
定永高幸先生

OET(Occupational English Test)にも合格

定永先生は、医療従事者向けの英語試験であるOET(Occupational English Test)※の医師(Medicine)分野にも合格されています。

※OET試験は、4セクション(聞く・読む・書く・話す)で構成され、医療従事者の日常的な業務のシチュエーションを想定された問題が出題。


学部・大学院TOPICS

TOPICS:米国医師資格試験(USMLE)step1を高得点で合格した定永高幸先生(免疫学講座)からの受験に関するアドバイス