学部・大学院のTOPICS 睡眠研究の世界的権威・柳沢正史教授を招き特別講義

睡眠研究の世界的権威・柳沢正史教授を招き特別講義

本学大学院医学研究科では、国内外で活躍する著名な研究者を招いた「特別講義」を企画し、大学院生に国際的視野と学術的刺激を提供しています。

今年度の特別講義(全11回)は6月よりスタートし、第3回目は、9月12日に筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)機構長であり、世界的な睡眠研究の権威として知られる柳沢正史教授をお招きして講義を開催しました。

柳沢教授は、睡眠・覚醒や概日リズムの分子メカニズム解明に関する先駆的な研究を数多く発表され、オレキシンの発見などにより国際的に高い評価を受けています。その成果は臨床応用にも広がり、現代医学の発展に大きく寄与されています。加えて、テレビや新聞などのメディアを通じて一般社会にも積極的に発信され、睡眠の重要性を広めてこられました。

当日は「睡眠と脳科学の最前線」をテーマに、最新の研究成果や今後の展望についてご講演いただき、多くの大学院生・教職員が熱心に耳を傾けました。質疑応答では、研究者を志す大学院生や教授陣から活発な質問が寄せられ、柳沢教授が一つひとつ丁寧に回答される姿が印象的でした。

参加者からは「研究の世界的潮流を身近に感じられた」「基礎研究を社会に還元する姿勢に強く刺激を受けた」といった声が多く聞かれ、今回の講義は研究活動への新たな動機づけとなりました。

今回の特別講義を担当した医療検査学科長 西教授
今回の特別講義を担当した医療検査学科長 西教授
講義の様子
講義の様子
真剣に講義を聴く参加者
真剣に講義を聴く参加者
柳沢先生が監修された「ポケモンスリープ」(睡眠に関するアプリ)から得たデータの話もありました
柳沢先生が監修された「ポケモンスリープ」(睡眠に関するアプリ)から得たデータの話もありました
質疑応答の様子
質疑応答の様子
質問に答える柳沢先生
質問に答える柳沢先生

本学では1971年に医学部の神経精神医学講座で睡眠の研究を開始。1981年に全国に先駆けて睡眠障害クリニックを開設し、不眠症患者などの診療にあたってきました。内村直尚学長も長年、睡眠研究に取り組み、日本睡眠学会の理事長を務めています。2024年に開設した医学部医療検査学科では、日本睡眠検査学会の理事長で認定ポリグラフ検査技師の資格を持つ八木朝子准教授を迎え「スリープラボ」が設置されています。

内村学長の「日本では睡眠が軽視されてきたが、生活習慣病やうつ病などとの関連が知られるようになり、重要性が見直されつつある。睡眠のスペシャリストが求められる時代となり、久留米から全国に人材を送り出していきたい」との言葉どおり、本学には臨床から基礎研究まで充実した睡眠研究が整っています。

今回の特別講義で、睡眠研究の最前線をリードする柳沢教授をお招きできたことは、長年睡眠研究を推し進めてきた本学にとって、今後の研究・教育のさらなる発展につながる貴重な機会となりました。

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