学部・大学院のTOPICS 起業家が語る「現代のマーケティング」と「起業と、地域おこし」【基盤教育研究センター中村寛樹教授】
5月13日、御井キャンパスの講義「久留米学」(基盤教育研究センター・中村寛樹教授担当)にて、中村教授の教え子であり、現在は東京を中心に活躍する起業家、井下田淳氏(株式会社Eight Good CEO)が登壇しました。
現在、井下田氏は東京・代々木の本店を拠点に活動するほか、小倉のアミュプラザへの期間限定出店など、全国へ活動の幅を広げています。
「起業と地域おこし」をテーマに掲げた今回の講義。大教室での開催ながら、スマートフォンを活用したAIリアルタイムアンケートを取り入れるなど、学生と双方向で「売れる仕組み」を考え、瞬時にスクリーンに学生からの意見が反映されるなど、熱気あふれる講義となりました。
井下田氏は、自身が手掛けるティラミス専門店「BENE REGALO(ベーネ レガーロ)」やWebマーケティング事業での経験を交えながら、マーケティングの本質について語りました。
「マーケティングとは、自分が何かにお金を使った時、『なぜそれを選んだのか』を言語化すること。その裏側にある“動機付け”を逆算して仕掛けることです」
例として、美容業界に多い「コンプレックス訴求」と、スイーツ業界に見られる「ポジティブ訴求」の違いについて解説。特に、衝動買いが起こりにくいスイーツ業界では、「希少性」や「有名人とのコラボレーション」が話題性を生み出す重要な要素になることを紹介しました。
また、人気芸人とのコラボ企画や、テレビ番組の価格当てクイズへの採用など、自身の実体験も披露。放送後わずかの時間で売り上げが爆増した成功事例だけでなく、思うように成果へ結びつかなかった経験についても率直に語り、「誰と組み、どのように見せるか」という戦略設計の重要性を語りました。
久留米の素材で「バズる」商品を考える
後半は、学生たちがマーケターになりきり、新商品のアイデア出しワークを実施。ターゲットを「富裕層」にするか「流行に敏感な若者」にするか、また食べた時にどんな感情を抱かせるかなど、具体的な商品設計に挑みました。
スクリーンには、久留米特産のイチゴ(あまおう)を活用したスイーツや、SNS映えを意識したロケーション戦略など、多彩なアイデアがリアルタイムで共有されました。井下田氏は、「抽象的なアイデアは誰にでも出せる。具体的に落とし込み、自分なりのロジックで説明できるのがプロの仕事」と学生たちに伝えました。
講義の最後には、「起業は大変なことも多いですが、先輩起業家の失敗談から学べることはたくさんあります。マーケティングの視点は、就職しても、起業しても必ず役に立つ汎用的なスキルです。街を歩く時、『なぜこの商品はここに置かれているのか』を考える癖を、ぜひ身につけてください」と語りました。
“擬似起業”による実践演習
午後から行われた「地域連携実践演習」(基盤教育研究センター・中村寛樹教授担当)では、さらに実践的な演習が展開されました。
事前課題として取り組んでいた「地域×ティラミス」をテーマにした商品企画書をもとに、選抜された4名の学生がプレゼンテーションを実施。販売エリアを「久留米・太宰府・糸島・宮崎」の4地域に設定し、それぞれのグループが企業名を決め、擬似的な企業を設立しました。
中村教授や井下田氏のサポートのもと、学生たちはCEOや営業担当などの役割を分担しながら、ターゲット設定や販売戦略、ブランディングなどを検討。実社会を想定したビジネスモデルの構築に挑戦し、企画内容をより現実的なものへとブラッシュアップさせていきました。
学生たちは、地域資源を活かした商品づくりや情報発信の可能性について学ぶとともに、「伝える力」や「売れる仕組み」を考える視点の重要性を体感する貴重な機会となりました。
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