学部・大学院のTOPICS ユマニチュード講演会「優しさを伝えるケアの技術」を開催しました

ユマニチュード講演会「優しさを伝えるケアの技術」を開催しました

去る6月19日、筑水会館イベントホールにて、ユマニチュード考案者のイヴ・ジネスト氏と、日本ユマニチュード学会代表理事の本田美和子氏を講師にお迎えし、「優しさを伝えるケアの技術」をテーマとした講演会を開催しました。当日は、医療・介護・福祉専門職の方々から地域住民の皆さままで、幅広い層の方々にご参加いただきました。

ユマニチュードはフランスで生まれたケア技法で、「見る」「話す」「触れる」「立つ」の4つの柱に、知覚・感情・言語による包括的なコミュニケーションを通じて、相手の尊厳と人間らしさを大切にする実践的な技法です。近年、認知症ケアをはじめ、医療・介護・福祉のさまざまな現場でその有効性が高く評価されています。

講演では、実際の認知症ケアの現場を記録した映像が紹介されました。それまで心を閉ざしていた患者が、ユマニチュードの技法を用いた関わりによって次第に表情が和らぎ、笑顔を取り戻していく様子が映し出されました。また、立つ動作を介助する際の手の添え方、語りかける際の目線の高さ、相手との適切な距離感など、わずかな関わり方の違いが相手の反応を大きく変えることも映像を通して紹介されました。 


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また、「攻撃的な患者などは存在しない。その人はただ自分を守ろうとしているに過ぎない」と述べられ、さらに、「愛情を表現する時と同じ技術をケアに用いることによって、相手からも同じように愛情を受け取ることができる」と、相互のやりとりが人間の尊厳につながることを説かれました。

講演中には、参加者同士で相手の目線に合わせ、約20センチの距離から相手と目線を合わせ、相手の瞳に映る自分を確認するといったワークも行われ、参加者は相手を尊重しながら関わることの大切さを実感しました。

身振り手振りを交えた情熱あふれる講演の終盤、山火事の中で足に一滴の水をつけて火へ向かう一羽の蝶の物語を紹介されました。周囲から無理だと思われても、「自分にできることをする」という信念を持って行動することの尊さを伝え、参加者に次のようなメッセージを贈りました。「ケアの現場においても、自分ができることから始めてほしい。一人ひとりが優しさを届けるケアを実践することで世界は変わる。みなさんはその力を持っているのです」

参加者の質問に答えるジネスト氏と本田氏
参加者の質問に答えるジネスト氏と本田氏
司会を務めた保健管理センターの安川教授
司会を務めた保健管理センターの安川教授

今回の講演会は、医療や介護の現場だけでなく、家族や地域社会における人と人との関わり方についても改めて考える貴重な機会となりました。

次代を担う学生たちへ。医学科「医療プロフェッショナリズム」での特別講義

同日の講演前には、医学科1年生の「医療プロフェッショナリズム」の授業において、両氏による特別講義が行われました。これから医療の道を志す学生たちに、「人は尊重されることで人間らしさを獲得する」というユマニチュードの理念や「あなたは大切な存在」というメッセージを伝える実践的な関わり方を伝えられました。受講した学生たちは、真剣な眼差しで授業に臨み、将来の医療人として必要な「優しさを伝える技術」と向き合う貴重な時間となりました。

真剣に耳を傾ける医学科学生
真剣に耳を傾ける医学科学生
英語で進行するジネスト氏と同時通訳をする本田氏
英語で進行するジネスト氏と同時通訳をする本田氏
具体的な方法をわかりやすく伝える様子
具体的な方法をわかりやすく伝える様子
情熱を持って学生に語りかけるジネスト氏
情熱を持って学生に語りかけるジネスト氏

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