研究・産学官連携の研究TOPICS あなたが幸せなら私も幸せ:日米夫婦5,000組のデータが解き明かす幸福感の特徴
研究の概要
本学文学部心理学科の浅野 良輔准教授らの研究グループは、米国と日本において、妻(夫)の幸福感が高いほど、その夫(妻)の幸福感も高いことを発見しました。本研究成果は、2024年10月24日に米国科学誌「Personality and Social Psychology Bulletin」オンライン版に掲載されました。
人間関係、とくに夫婦関係が幸福感の源泉になることは、心理学や社会学、疫学などの分野で広く知られています。しかし、夫婦関係がどのようにして幸福感を高めるのかは明らかになっていません。
本研究グループは、日米合わせて5,319組の夫婦を対象とする調査データを分析しました。その結果、幸福感が高い回答者の配偶者は幸福感が高い傾向にありました。以下の図は、日米をとおして、妻(夫)の幸福感が高いほど、63.3%の確率でその夫(妻)の幸福感も高いことを表しています。
今後期待されること
社会心理学では、二人の認知や感情(つまり、心の働き)がお互いに影響し合うことを相互依存性と呼び、さまざまな検討がなされてきました。本研究の成果は、夫婦の幸福感にもこうした相互依存性が大きな特徴としてみられることを示しています。本知見をきっかけに、人間関係と幸福感の結びつきに対する理解が深まると期待されます。
論文情報
【雑誌名】
Personality and Social Psychology Bulletin
【論文名】
The interdependent nature of well-being: Evidence from American and Japanese spouses
DOI: https://doi.org/10.1177/01461672241285180
公開日: 2024年10月24日
【著者名】
浅野 良輔(久留米大学文学部心理学科・医療経営研究センター)
金政 祐司(追手門学院大学)
古村 健太郎(弘前大学)
伊藤 健一(レスブリッジ大学)
※本研究の一部は石橋学術振興基金助成金によって実施されました。