研究・産学官連携の研究TOPICS 【研究成果】「スマホ育児」は子どもの自制心を阻害しないかもしれない

【研究成果】「スマホ育児」は子どもの自制心を阻害しないかもしれない

子どものスマホ・タブレット利用と自制心の関連を科学的に検証(2~6歳児をもつ夫婦調査に基づく日本初のエビデンス)

「スマホ育児」は子どもの自制心の発達を阻害するといわれています。しかし、その客観的なエビデンスはこれまでありませんでした。文学部心理学科の浅野良輔准教授らの研究グループは、子どものスマホ・タブレット利用と自制心の関連を日本で初めて科学的に検証し、「スマホ育児」が子どもの自制心を阻害しない可能性を示唆しました。

研究の概要

研究では、2~6歳の子どもをもつ夫婦455組にインターネット調査を行い、子どものスマホ・タブレット利用と自制心の関連について日本で初めて科学的に検証しました。

その結果、子どもにスマホ・タブレットをどのようなルールを設けて使わせるか(利用規則)の得点が高いほど、子どもの自制心は高いことを見出しました。一方で、子どもにスマホ・タブレットをどのくらい使わせるか(利用頻度)、どのような目的で使わせるか(利用用途)、どのような状況で使わせるか(利用場面)の得点は、子どもの自制心と関連がみられませんでした。これらの結果が、夫婦の年齢、夫婦の就業状況、夫婦の教育歴、子どもの性別、子どもの年齢、子どもの数によって変わることはありませんでした。

今後期待されること

「スマホ育児」をめぐるさまざまな情報が氾濫する中、お子さまのスマホ・タブレット利用に対する保護者のみなさまの不安軽減に役立つことが期待されます。

今回の研究成果について

【論文名】幼少期におけるモバイル端末利用と自己制御の関連
https://doi.org/10.2132/personality.29.3.1
 

【著者】  浅野 良輔(久留米大学文学部心理学科)、浦上 萌(椙山女学園大学人間関係学部心理学科;前・久留米大学人間健康学部総合子ども学科)、徳田 智代(久留米大学文学部心理学科)、園田 直子(久留米大学文学部心理学科)

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