地域貢献のTOPICS 人間健康学部開設記念シンポジウムを開催

今年4月に誕生した「人間健康学部」について広く知っていただくため、開設記念シンポジウムを開催しました。
人間健康学部は、保育士や幼稚園教諭を養成する【総合子ども学科】と、アスレティックトレーナーや体育教師を養成する【スポーツ医科学科】の二学科から成り、保育・子育て・スポーツ・健康の分野で実践的に活躍できる人材を養成することを使命としています。こうした学部の特色や理念をよりよく皆様にお伝えいただけるゲストとして、本学卒業生で、ブラインドサッカー日本代表選手である黒田智成さんにお越しいただきました。
両目ともに全く見えない黒田さんですが、ブラインドサッカーを通して世界中の様々な人と出会え、自分の世界を広げることができたこと、「障害によりできない」ということはなく自分の努力と支えてくれる人たちの力により可能性は無限大であることを語ってくださいました。
アビスパ福岡に所属する、元ブラインドサッカー日本代表コーチの藤井潤さんは、「縦に行け、打て」などのコーチの声かけと黒田さんが描くイメージとが合致した時にゴールが決まること、お互いの理解とコミュニケーションを通した一体的なプレーによりすばらしい結果が出ることをお話しくださいました。
久留米大学の同窓生である岡村尚昌さんは、点訳サークルを通して黒田さんと関わってきましたが、支援するよりも教えてもらったり、人間としての器の大きさを感じさせられたりすることの方が多く、そこにあったのは障害者と健常者という関係性でなく、人間としての魅力にあふれる黒田さんの親友として傍にいるというものだったことをお話しくださいました。
さらに、黒田さんのお母様である田中文子さんは、視力が弱まる黒田さんの様子に気づき、あちこちの神社を訪ねて祈りを捧げたこと、両目の視力がなくなってからは元気いっぱいに外で遊びまわる黒田さんをハラハラしつつも見守り続けたことなどをお話しくださいました。
黒田さんの優しく、謙虚で、前向きなお人柄に触れると同時に、人間の育ちの基礎を支える保育者や教師に求められる姿勢や態度、乳幼児から高齢者までどのような状態にあっても追求できるものとして「健康」を捉える視点などについて考えを深める時間となりました。
黒田さんから人間健康学部へのメッセージ
「久留米大学への入学がステップとなり、世界を広げる四年間となりました。友人や教員の温かさに支えられました。一人の人間を大切にし、問題があってもどうしたらクリアできるかを考えて、よりよい環境を整えてくれるのが久留米大学でした。人間健康学部は、まさにどんな立場の人でも安心して生活できることを支える学部だと考えます。期待しています。」