地域貢献のTOPICS コラム「久大軒」Vol.12 -よみがえる木-

久留米大学に私が赴任したのは昨年9月。
この1年で、文系学部がある御井キャンパスは様変わりした。
丘の上にある白亜の御井本館は完成していたが、
隣接する古い建物2棟が取り壊され、そこは芝生の広場になった。
星野民藝(福岡県八女市)から今夏、
立派なテーブルとペン皿が大学に寄贈された。
御井キャンパスの整備工事に伴い、
平成25年に伐採されたケヤキが4年がかりで加工されたものだ。
工事は、整備対象の敷地にある木々の運命を変えた。
整備後の庭園に植栽するために残される木は「緑のテープ」が、
処分される木には「赤のテープ」がそれぞれ巻かれていた。
それを知った法学部のT教授は、伐採をしばらく待ってもらい、
家具製造会社などを探し、民芸家具で有名な星野民藝に掛け合った。
願いはかない、伐採木は廃棄されることなく、
テーブル3脚とペン皿170個として、姿を変えてよみがえった。
教授は「物の性(しょう)を尽くせ」と常日頃、おっしゃるとか。
その言葉通り、この世の物は、粗末にせず
それぞれの価値を発揮させるために存在するのだろう。
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