地域貢献のTOPICS 教育プログラム「地域防災を担う人材の育成」を開催

1日目「久留米市の豪雨災害と浸水対策」に関する講演
2020年10月31日に教育プログラム『地域防災を担う人材の育成~これから私たちにできること~』の初日を迎え、久留米市都市建設部河川課の髙田哲治様にご登壇いただきました。
「近年の豪雨概要」として、近年の久留米市内の降水状況について数値を基に報告があり、大雨特別警報が発令されるような雨量が発生する要因の一つとして気候変動による降雨の激甚化や都市化による土地利用の変化が挙げられることが説明されました。想定を上回るような雨量がもたらした久留米市内の浸水被害箇所や件数等についても報告され、現在私たちを取り巻く状況について学習しました。
「これまでの主な浸水対策」「現在と今後の浸水対策」では、久留米市内に埋設されている貯留管などの雨水貯留施設等の概要や、本学御井キャンパスグラウンドを雨水貯留施設とする計画が報告されました。また、今年の7月から運用された雨水流出抑制助成制度や内水ハザードマップ等について紹介され、一人ひとりが浸水被害の発生に備えて意識を向上していくことが重要であることが示されました。
2時間の講演を終えた参加者からは、「市職員の方から最前線の現場の様子を伺い、また、少しの雨にも敏感になるほど苦慮されていることを知り、改めて浸水被害の恐ろしさを実感しました。」「さまざまな浸水対策を分かりやすく説明していただきました。自分にできることは何かを考えていきたいと思います。」などの声が寄せられました。
2日目「災害ボランティア活動と防災を担う人材育成」に関する講演
11月14日に教育プログラム『地域防災を担う人材の育成~これから私たちにできること~』の2日目を迎え、久留米市総務部防災対策課の花田克善様、および、法学部の松田光司教授にご登壇いただきました。
花田様からは、「災害に備えて」と題して自衛隊勤務時の災害派遣等を踏まえた災害対策のポイントについて報告がありました。常識が通用しないような災害発生に備え、今後は一人ひとりの防災に対する意識・準備が必要であり、ハザードマップや地域の防災マップで自分が住んでいるところの危険度を把握しておくこと、非常持ち出し品を揃えておくこと等、自分のできる準備を今日からでも始めてほしいとの説明がありました。また、災害発生時の避難については自分の身を守ることが最優先であり、災害から命を救う行動がとれるよう、日頃から準備しておくが必要であると示されました。
さらには、近隣住民や地域の人たちが互いに協力し助け合う「共助」による災害対策活動の重要性が高まっている中で、久留米市では地域の防災力を高めるための地域防災リーダー養成研修に取り組んでおり、地域防災リーダーにはその中核となる役割を期待していることが報告されました。
松田教授からは、近年、各地で甚大な自然災害が発生している中で「地域の防災を担う人材の育成」が必要になっていることから、久留米大学としてのこれまでの取り組みと今後の展望が説明されました。災害ボランティアをより多く効率的に送り出すには後方支援ができる人材が必要であることが示され、ボランティアサークル等と連携して被災地での活動を展開してきたことが報告されました。
また、昨年度、本学御井キャンパスにおいて実施した災害ボランティアセンター設置訓練等について紹介があり、今後も地域のみなさまとの連携が重要であると考えており、協力を仰ぎながら活動を進めていきたいと述べられました。

今回のプログラムについて
本プログラムは、久留米市・朝倉市・大川市・大牟田市・小郡市・うきは市・筑後市・広川町・八女市・基山町・みやき町・高等教育コンソーシアム久留米といった多くの後援を得て、久留米大学を会場とする現地開催と同時に、Zoomのウェビナーを利用したオンライン開催というハイブリッド型で開催しました。なお、現地に来場された方にはサーモグラフィーカメラによる検温にご協力いただくなど、新型コロナウイルス感染対策を講じています。