地域貢献のTOPICS 先端癌治療研究センター市民公開講座「今や標準的がん治療法になった免疫療法」を開催しました

先端癌治療研究センター市民公開講座「今や標準的がん治療法になった免疫療法」を開催しました

先端癌治療研究センターでは毎年、地域の皆さまに「がんの治療・研究」に関する最新の情報を提供すべく市民公開講座を開講しています。今年度は、10月12日(土)に久留米市石橋文化会館小ホールを会場に「今や標準的がん治療法になった免疫療法」と題した市民公開講座を開催し、多くの方にお越しいただきました。

当日の概要

開会の挨拶をする先端癌治療研究センター古賀 浩徳所長
開会の挨拶をする先端癌治療研究センター古賀 浩徳所長
前半の座長を務めた先端癌治療研究センター 山田 亮教授
前半の座長を務めた先端癌治療研究センター 山田 亮教授

今回は、先端癌治療研究センターに所属する3名が免疫療法について、「がん免疫の概要」「肺癌治療最前線~肺癌治療の最近の進歩~」「乳癌における新しい治療法」のテーマで講演を行いました。

小松 誠和准教授(腫瘍免疫学部門)
小松 誠和准教授(腫瘍免疫学部門)

第1部の「がん免疫の概要」では、先端癌治療研究センター腫瘍免疫学部門の小松 誠和准教授が「がんと免疫の関係」、「免疫チェックポイント阻害剤の概要」について講演を行いました。免疫学の視点からなぜ癌になるのか、免疫チェックポイント阻害剤はどのように働くのかについて紹介されました。

東 公一准教授(分子標的部門)
東 公一准教授(分子標的部門)

第2部では分子標的部門の東 公一准教授が、「肺癌治療最前線~肺癌治療の最近の進歩~」をテーマに講演しました。講演では、肺がんの主な治療法として放射線療法、外科療法(手術)、化学療法(抗がん剤)を紹介し、現在では放射線をはじめとした技術の進歩により、患者個人やがんの状態にあった個別化治療が進んでいることが紹介されました。

唐 宇飛 教授(分子標的部門)
唐 宇飛 教授(分子標的部門)

第3部「乳癌における新しい治療法」では、医学部外科学講座乳腺外科の唐 宇飛教授が乳がん手術において、放射線治療や化学療法の進歩に加え、早期発見技術の向上や乳房部分切除術の生存率が全乳房切除術と比較して差がないことが発表されたことで、乳がん治療における選択肢が増え、より多くの女性が乳房を残す治療を受けることができるようになったことが伝えられました。

これまでは根治性(完全に治ること)、低侵襲(手術・検査による傷、出血が少ないこと)が第一優先とされていましたが、乳房部分切除術(温存)などの技術の進歩により患者のQOLを視野に入れた整容性(術後の仕上がり)も重要視されるようになりました。

質疑応答の様子
質疑応答の様子
閉会の挨拶をする先端癌治療研究センター 溝口 恵美子教授
閉会の挨拶をする先端癌治療研究センター 溝口 恵美子教授

最後に、先端癌治療研究センター腫瘍免疫学部門の溝口恵美子教授が挨拶し閉会しました。講座後も多くの質問が寄せられ、皆さまの関心の高さがうかがわれました。

今後も先端癌治療研究センターでは、「実際のがん医療、がん患者に役立つこと」を目指し、がん治療、がん予防などをテーマにさまざまな市民公開講座を開催してまいります。

久留米大学先端癌治療研究センター関係者
久留米大学先端癌治療研究センター関係者

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