地域貢献のTOPICS 『遠隔手術指導の実施』福岡県知事に報告
3月28日、令和6年度の福岡県補助金(※)を活用し、『遠隔手術指導システム』を構築した久留米大学病院グループ(久留米大学病院、朝倉医師会病院)と九州大学病院グループ(九州大学病院、田川市立病院)が、実施報告のため福岡県庁を訪問し、服部誠太郎福岡県知事と面会しました。
久留米大学病院からは野村政壽病院長と消化器外科の藤田文彦教授が、朝倉医師会病院からは志波直人病院長、津福達二副院長が訪問し、これまでの取り組みについて報告を行いました。
※外科医確保のための遠隔手術指導支援事業費補助金(遠隔手術指導に必要なICT機器の導入に係る経費を補助)
福岡県の医師・外科医の現状
はじめに、福岡県の医療現状に関する報告が行われ、特に外科医不足や地域偏在の課題について説明がありました。
◆福岡県の医師の現状
●福岡県内には、2022年末時点で、15,968人の医師が医業に従事
●2002年から2022年の20年間で、約3,500人(28%)増加
●全国と比較しても、5番目に多い医師数で、医師多数県とされる
◆福岡県における外科医の状況
●県内での医師数は全体として、これまで大きく増加しているものの、
外科医の数は横ばいから微減傾向で推移
●70%を上回る外科医が、北九州市、福岡市、久留米市の3市に集中し、地域偏在が存在
【久留米大学病院と朝倉医師会病院による遠隔手術指導】
遠隔手術指導は、大学病院の熟練指導医が、離れた病院で執刀する医師をリアルタイムで指導するシステムです。ICT機器を活用し、音声、映像、アノテーション(指導医がモニター上に描画した指示内容を、執刀医が手術室のモニターで即時確認できる機能)を駆使することで、遠隔地にいながらでも的確な指導を可能とします。
久留米大学病院グループでは、藤田文彦教授と朝倉医師会病院の津福達二副院長が、二つの症例について実施報告を行いました。


今後の展望
今後、各グループでは指導対象となる病院をさらに増やし、外科医の育成・確保に努めていく方針です。 服部誠太郎福岡県知事は「外科医不足が深刻化する中、このような取り組みは非常に重要であり、『福岡モデル』として全国に広げていきたい」と述べ、今後の展開に大きな期待を寄せました。
■福岡県庁〔県内の大学病院などが遠隔手術指導の実施報告に来られました〕