地域貢献のTOPICS 【商学部】福永ゼミが高良山竹林で学外実習 ~地域資源を学びに活かす~
7月1日、商学部の福永文美夫教授が担当するゼミが、御井キャンパス近くの高良山竹林で学外実習を実施しました。今回の実習では、実際に竹林を訪れ現場を体感し、竹を伐採する作業を体験しました。
この実習は、福永ゼミの「演習Ⅱ・演習Ⅲ」に位置づけられた授業で、後期には実際にこの竹を活用した様々なビジネスプランの立案の検討へとつなげていく予定になっています。
当日は、はじめに御井キャンパス地域連携センター「つながるめ」にて、今回の協力者である「高良山竹林環境研究所」の渡辺琢磨代表からレクチャーが行われ、近年全国で問題視されている「放置竹林」の問題、高良山も例外なく竹林が荒れている現状、研究所の設立背景から現在取り組んでいる活動について紹介しました。
「私たちの里山である高良山をキレイにして、次の世代に繋いでいくことが目標です」と語り、以下の3つの柱で竹林整備に取り組んでいることが説明されました。
① 枯れて倒れた竹を排除
② 青竹の間引き(伐採)
③ 余計な竹を増やさない、幼竹の伐採 ⇒メンマづくり
地域ブランド商品「くるめ高良山メンマ」、「バンブージン」
こうした取り組みから生まれたのが、地域ブランド商品「くるめ高良山メンマ」です。
2022年、糸島市で伸びた竹の子で「国産メンマ」を作っている方がいることを知り、教わりに行ったことがきかっけで、その翌週には「高良山竹林環境研究所」を設立し、メンマ作りを開始しました。
そして「くるめ高良山メンマ」を商品化し、販売を開始するのと同時に高良山の竹林整備を本格化していきました。
2023年に久留米市「環境行動賞」を受賞し、「福岡デザインアワード2023」でも銀賞に輝きました。さらに、2024年には、高良山の竹を使った「バンブージン(蒸留酒)」の商品化に竹を提供するなど、地域資源を活かした新しい挑戦が続いています。
現在では、メンマ作りのほかにも「メンマ餃子作り」や竹の皮を使った「染物体験」、枯れた竹を燃やした「竹炭づくり」(土壌改良に使用)をしながら「バームクーヘン焼」で楽しむなど、地域の方々が交流できる多様な地域イベントへと広がっています。



学生たちが現地で竹を伐採・運搬
レクチャー後は、高良山の麓に移動し、渡辺さんの説明を受けながら、整備されている竹林や所有者が分からない荒れ果てた竹林を見ながら、実際の竹林現場に向かって山道を登っていきました。
学生たちは、現場では竹の伐採や枝の切り落としなどを体験しました。
体を動かしながら、竹の強度や重さ、扱い方を学ぶことで、地域資源の可能性を実感しました。
今後、学生たちは今回の体験をもとに、「くるめ高良山メンマ」の販路拡大や新たな活用方法、竹を使った新商品開発などをテーマに、地域資源を活用した課題解決型学習の場として、後期のビジネスプラン立案に向けての大きな一歩を踏み出しました。自然との関わりからはじまる実践的な学びが、地域課題の解決と次世代のビジネス創出へと展開していきます。


ゼミ長の岩下昇平さん(2年)は、「ゼミメンバー全員で汗をかきながら、竹の伐採作業をおこないました。みんなで伐採した重い竹を持って頑張って下山したことに達成感があり、この作業を行ったことで、竹を原材料とする商品化のイメージやビジネスモデルのアイデアが思い浮かんできました」と振り返りました。
また、田中陽斗さん(2年)は、「今回の実習体験で、そもそもメンマが竹で作られていることを初めて知り、さらに今日伐採した竹がジン(蒸留酒)の材料になることを知って興味がさらに湧きました。高良山の竹が久留米の名物として浸透していってほしいし、はやくジンを飲んでみたいと!」と語り、竹の活用方法の多様性に驚いた様子でした。
さらに、留学生の楊宇軒(ヤン・ユーシュアン)さん(2年)は、「校舎から見える高良山に登って、自然環境の美しさを感じました。道中には荒れ果てた竹藪もあり、竹林をきれいに持続することの難しさを感じました」と、日本にはこのような山の保全に課題があることも学びました。