地域貢献のTOPICS 久留米大学病院で市民公開講座 健康の広場「知っておきたい感染症と予防の話」を開催

10月5日、久留米大学病院において、市民公開講座 第25回健康の広場「知っておきたい感染症と予防の話」を開催しました。
この「健康の広場」は、久留米大学病院の理念である「人と地球にやさしい、生命(いのち)を慈しむ医療」を基に、地域社会に医療や健康に関する情報を提供し、病気の予防や健康管理の知識を普及することを目的に毎年開催しているものです。
今年は「知っておきたい感染症と予防の話」をテーマに、「みんなを守る予防接種」と「家庭でできる感染対策~手洗い編~」の2つの講話をとおして、市民の皆さまに感染症予防の大切さをお伝えしました。
「みんなを守る予防接種」
「みんなを守る予防接種」と題して、感染制御部 副部長の後藤 憲志氏が、「ワクチンについて」「ワクチンで予防できる感染症、新しいワクチンについて」「トラベラーズワクチン」の3項目に分けて講演しました。
講演では、ワクチンは自分自身を病気や重症化から守るだけでなく、周囲の人を守る「社会の盾」としての役割も果たすことを説明。多くの人が接種することで感染症の流行を防ぐ「集団免疫」の仕組みを、麻疹などの例を挙げながら分かりやすく解説しました。
「家庭でできる感染対策~手洗い編~」

続いて、森田氏は、感染症を防ぐための基本として「手洗いの大切さ」を改めて強調しました。手には多くのウイルスや細菌が付着しており、正しい方法で石けんを使って洗うことで多くの感染症を防ぐことができると説明。また、手洗い時使用するアルコールや石けんの違いと、不織布マスクや布マスクそのほかのマスクのそれぞれの吐き出し飛沫量、吸い込み飛沫量カット率の違いについても解説しました。
さらに、災害時や避難所など衛生環境が悪化しやすい場面では、手洗いが十分にできないことがあるため、アルコール消毒や清潔なタオルの使用など、できる範囲で工夫することの大切さを呼びかけました。講演をとおして、日常の衛生習慣が非常時にも命を守る行動になることが伝えられました
最後にまとめとして以下の点を参加者へお伝えしました。
- 手洗いは感染症を予防するための基本的かつ効果的な方法である
- 正しい手洗いを実践することで、ウイルスや菌の感染リスクを大幅に減少させることができる
- 日常と災害時の両方を意識した感染対策が必要
- 「備えることで安心が増える」
質問回答


講演後には多くの質問が寄せられ、後藤氏、森田氏が一つ一つに丁寧に回答し、感染予防に対しての理解をさらに深めました。
参加者からは「手洗いの基本がよくわかりました」「興味深いワクチンの話だけでなく、災害時の対応も聞くことができました」「日常生活に役立つ話で大変ありがたかったです」といった感想が寄せられました。
久留米大学病院ではこれからも地域の皆さまとともに、生命(いのち)を慈しむ心を大切に、「人と地球にやさしい医療」を実践し、安心して暮らせる社会の実現に貢献してまいります。
ワクチンのご相談について
久留米大学医学部感染制御学講座ではワクチンに関してご相談を受け付けております。
火、金曜日 9:00-12:00
月、水、木曜日 9:00-12:00、13:00-16:00