学生生活・就職のTOPICS 子どもたちの「一歩」を支えたい —— みらいサポーターとして活動する川﨑奏奈さん
福岡県教育庁が実施している「みらいサポーター事業」は、さまざまな理由で学校に行けず授業を受けられていない小・中学生に対し、心理・教育・社会福祉などを学ぶ大学生がオンラインで勉強を教えたり、悩みの相談にのったりする取り組みです。4年目を迎えるこの事業には、これまで本学から延べ24名の学生が参加し、今年度も8名が活動しています。今回は、その一人で2年目の活動に取り組む人間健康学部総合子ども学科4年の川﨑奏奈さんにお話を伺いました。
参加のきっかけ
高校時代に母校の小学校で理科実験の出前授業をした経験から、小学校教諭を志したという川﨑さん。久留米大学では教員免許に加えて幼稚園教諭や保育士の資格も取得できるため、幼児教育も学べる点に魅力を感じ、本学への進学を決めました。
大学ポータルサイトでみらいサポーター事業を知り、「学内だけでは不登校の子どもたちと関わる機会は少ないかもしれない。この活動を通じて学びを深めたい」と思い、参加を決意。3年生から活動を始めました。
活動内容と印象に残るエピソード
現在は週2回、オンラインで児童生徒と1対1で向き合っています。学習の質問があればホワイトボード機能を使って解説し、それ以外の時間は図書館で借りた理科や歴史のクイズ本を使って会話を楽しみます。「子どもたちの“やりたいこと”を大切にしながら活動しています」と語ります。
印象に残っているのは、中学2年生の女の子。最初は画面の遠くからなかなか話そうとしませんでしたが、興味のある話題に触れた途端、表情が一変し、画面に近づいて明るく話してくれるようになったといいます。「そのとき、子ども一人ひとりをよく視て関わることの大切さを実感しました」と振り返ります。
活動を通じた学び
活動を重ねるなかで、川﨑さん自身も成長を感じています。子どもの良さを引き出せる問いかけができるようになり、「今、どんな言葉が必要かな」「この言葉を贈りたい」と考えながら接するようになったそうです。特に心がけているのは、自分が伝えたいことを一方的に話すのではなく、質問をして会話を広げていくこと。そして相手の声に耳を傾け、良いところを見つけて具体的に伝えることです。「それはすごいね」と言葉にすることで、子どもたちの自信につながると感じています。
将来への思いと後輩へのメッセージ
将来は小学校教諭として、みらいサポーターで得た学びを教育現場に生かしたいと考えています。「苦手なことを避けるのではなく、挑戦できるように声をかけられる先生になりたい」と将来への思いを語ってくれました。
最後に、これから参加を考える学生へのメッセージを尋ねると、「子どもたちが一歩を踏み出す瞬間に立ち会えるやりがいのある活動です。悩むこともありますが、その分、自分も成長できます。ぜひ挑戦してみてください」と力強いエールを送ってくれました。