学部・大学院のTOPICS 日本語教師になろう!

日本語教師になろう!

掲載内容

本学の日本語教育学(教員養成)について
学部の日本語教員養成課程について
大学院の日本語教育学専攻について
在学生の声
卒業生の活躍
海外実習の報告
よくある質問

本学の日本語教育学(教員養成)について

本学では、「国際交流に関する基本方針」として「日本語教育学ならびに日本語教員養成の充実強化」を掲げています。

従来の国際交流の概念では、海外留学による外国人との交流、留学生受入れによる日本人との交流に主な焦点が当てられていますが、この他にも外国人に日本語を教える教員の養成が考えられます(帰国した留学生が母国で日本語を教える場合も含まれます)。

近年、日本語教員に対する需要は高まっており、認知度も増しているなか、国内はもとより海外で日本語を教える教員を育てることにより、在学中は日本語・日本文化を客観的に見る目が養われますし、卒業後は日本語・日本文化について発信していくだけでなく、相互の交流を通して必然的に国際的視野を培うことになります。

本学では、別科の日本語教育、学部の留学生教育、学部の日本語教員養成課程、大学院の日本語教育学専攻が連動して、有機的に運用されています。また、学外の日本語学校や外国人の子供達が多い小中学校を訪問して、授業見学や授業支援を行なっています。

最後になりましたが、一人でも多く本学の学生が在学時から積極的に国際交流を推進し、卒業後、国際舞台で活躍してくれることを期待します。

学部の日本語教員養成課程について

写真

1.日本語教員養成課程とは?

日本語教員養成課程では、第二言語としての日本語教育/学習について理解を深め、外国人に日本語を教える教員を養成することを主な目的としています。

令和6年4月1日より、「日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律」が施行され、登録日本語教員資格制度が始まります。登録日本語教員になるためには、本学の養成課程修了後、日本語教員試験を受験することが求められます。日本語教員を取り巻く環境は大きく変わることが予想されますので、今後の動向についても十分注視して下さい。

2.カリキュラムのポイントは?

本学の日本語教員養成課程は、全ての文系学部(文・人・法・経・商)で履修できます。本課程修了に必要な要件は28単位以上、そのうち、第二言語として日本語を教える上で重要な理論と技術を学んでいただくために「日本語教育概論Ⅰ・Ⅱ」「日本語教授法Ⅰ・Ⅱ」「日本語教育実習(国内)」は必修としています。

3.修了後の進路は?

国内あるいはアジア諸国を中心とした海外の日本語教育機関で教えるという道があります。もちろん、就職は必ずしも容易ではありませんが、本学の課程修了者で現在日本語教師として第一線で活躍している方々も少なくありません。

また、本学の大学院比較文化研究科の専修文化コースの中にも、日本語教育学専攻が設置されています。学部卒業後、大学院でより深い専門知識を修得することも可能です。

4.教務情報はこちらから

本課程の履修要領や開講科目表を載せています。
https://www.kurume-u.ac.jp/student-affairs/liberalarts-info/class/info-4/

5.コラム「日本語教育を通して、もう一人の自分を演じる」

外国人に私達の母語である日本語を教えてみたいと思ったことはありませんか。既に本学の卒業生が国内国外を問わず日本語教師として活躍しています。外国人と言っても、日本在住の留学生だけでなく、日本の国際化に伴って、対象が帰国子女であったり、海外在住の駐在員の子供達であったりするかもしれません。

私は日本語のみならず、基本的に語学教師には芸人的な素地が必要であると考えています。一旦舞台に立てば、辛いことも悲しいことも顔には出せません。観客を沸かせるために、創意工夫をし、サービス精神を持って接しなければならないのです。

また、日本語教師の魅力は言語を伝えるだけでなく、国境を越えて、異なる文化・価値観を持つ人々と接することができる、その結果、自分の世界が広がることでもあります。私の場合、日本語教師として初めて訪れた国が台湾でした。同じ風貌をした人々から発せられる意味不明な言葉、街角に溢れる繁体字の看板、鮮烈にして新鮮な驚きの連続でした。あれから30余年、地理的には近いですが、文化的には遠い台湾に対する興味は尽きません。今でも、その当時の学生とは付き合いが続いています。

本学の日本語教員養成課程のコア科目である「日本語教育概論」「日本語教授法」および「日本語教育実習」では、特に第二言語として日本語を外国人に教える場合に必要な知識および方法を皆さんに伝授します。最初は日本語教師を演じることが苦手でも、日々の鍛錬を通して場数を踏めば、誰でも驚くほど上達することでしょう。

最後になりましたが、もちろん、日本留学を終えて母国で日本語を教えてみたいと考えている外国人留学生の皆さんも大歓迎です。いずれにせよ、人前で自己表現できる、忍耐強い学生の受講を期待しています。

(日本語教員養成課程担当:文学部国際文化学科 浅田浩文)


大学院の日本語教育学専攻について

本学の大学院で日本語教育学を専攻しようと考えている方は、比較文化研究科前期博士課程専修文化コースの「言語教育学(日本語)」を選択することになります。 本専攻では日本語音声、日本語構造、教育方法、研究方法、教授法実習等を通して、理論と実践を身につけた日本語教育の指導者、研究者の育成を行なっています。具体的には修士論文(4単位)の他に、コースワーク(28単位以上)を修得することが求められます。これは大学院前期博士課程専修文化コース「言語教育学(日本語)」の修了要件であり、学部の日本語教員養成課程とは関係ありません。

入試については、年2回(秋期9月・春期2月)実施され、言語教育や言語学習、言語習得に関する基本的な知識が問われます。詳しくは大学院のサイトをご覧ください。

在学生の声

本課程の必修科目である日本語教育概論・日本語教授法・日本語教育実習から在学生の声を随時紹介しています。

1.「日本語教育概論」

このクラスでは外国人のための日本語教育について概観します。

前期では日本語教育/学習の視点から日本語の特徴(音声・文法・文字表記・語彙)について、後期ではスキル別に学習者の日本語能力に応じた教授法(初級・中級・上級)について学びます。

写真

文学部国際文化学科(国際)1年:I.M.>
日本語教育概論では日本語の成り立ちについて学び、先生と生徒みんなで話し合いながら、授業が進められていきます。毎週楽しく授業を受けながら、将来に直結する内容を学ぶことができるので、とても意欲的に授業に参加することができています。

<文学部国際文化学科(国際)1年:Y.M.>
日本語教育概論は意見しやすい雰囲気が特徴の授業です。先生にも質問しやすく、一人一人の疑問に皆で向き合います。和やかな雰囲気の中、日本語教育に必要な事を学んでいます。

文学部国際文化学科(英語)1年:U.M.>
日本語教育概論には様々な学部学科から日本語教育について学びたい学生が集います。教科書に沿いながら、意見交換も行うので、多様な意見を知ることができ、興味深いです。今後は海外での日本語教育研修に挑戦したいと考えているので、引き続き理解を深めていきたいと思います。

文学部国際文化学科(英語)1年:Y.M.>
日本語教育概論では日本語教育の基礎知識を学びます。授業は机を「コ」の形に配置し、皆が顔を見合わせながら、和気あいあいとした雰囲気で行われます。皆で例文を考えたり、ポイントを抑えたりしながら、教科書に沿って進められます。

文学部国際文化学科(英語)2年:I.Y.>
日本語教育概論では授業の雰囲気が良く、みんなで積極的に意見を出し合いながら、授業を行っています。私たちが普段使っている日本語に関するしくみや特徴を詳しく学び、日本語を教えるために必要な知識を勉強しています。

<文学部情報社会学科1年:H.H.>
日本語教育概論では日本語教師になるために「外国人が学ぶ日本語」を基本から学んでいます。どのような言葉の発音が難しいかということや、つまずきやすい表現などを学び、改めて日本語の難しさに驚き、奥深さを知りました。教室では先生と学生の距離が近く、楽しく学んでいます。


2.「日本語教授法」

このクラスでは第2言語としての日本語教育に必要な知識・技術の習得に努めます。

前期では日本語教育の概要、教材分析、学習者の視点から見た日本語の特色について、後期では外国語教授法、個別技能、学習者の視点から見た日本語の特色について理解を深めます。また、前後期を通して模擬授業も行います。

写真

<文学部国際文化学科(国際)2年:I.K.>
日本語教授法では外国人に日本語を教える方法を学びます。日本語の基礎知識はもちろん、世界にある様々な教授法についても深く勉強します。グループでの学習が多く、積極的に意見を言える雰囲気のある授業です。より実践的な模擬授業を行なったり、先生が海外の研修や日本語教員の就職に関する情報まで詳しく紹介してくださいます。

<文学部国際文化学科(国際)2年:O.R.>
日本語教授法では先生と学生のコミュニケーションが盛んな環境で楽しく授業が行われています。模擬授業ではそれぞれの個性を出しながら準備を行い、お互いの模擬授業を生徒として参加して、意見を共有しあい、全員の意欲を向上させています。

<文学部国際文化学科(英語)2年:Y.M.>
私は日本語教師に関心があり、一年次から日本語教育学課程を受講しています。外国の方に日本語を教えるにあたって、どのような工夫が必要なのか、授業を通して先生や生徒と意見交換や模擬授業などを行なって日々学んでいます。先生は生徒一人一人と向き合い、指導やアドバイスをくださいます。時には先生が日本語教師をしていた頃の体験談なども聞くことができ、とても楽しくやりがいのある授業です。

文学部国際文化学科(英語)2年:A.H.>
日本語教授法では日本語の基礎や模擬授業を通して、日本語教師になるための力を養うことができます。どのように教えたら理解してもらえるかなど、毎回の授業で考えさせられます。また、日本語教授法を履修した学生の中から、希望者は実際に台湾の大学に行き、現地の学生に日本語を教えることもでき、自分の実力を知ることができるチャンスもあります。

<文学部心理学科3年:M.K.>
日本語教授法の授業では少人数であることに加え、学生と先生との距離が近く、楽しい雰囲気で授業が行われています。また、先生が一人一人の学生と向き合って、丁寧に指導してくださり、学部学科関係なく協力し合いながら、学習することができます。


3.「日本語教育実習(国内)」

このクラスでは日本語教員養成課程の最終段階として、外国人日本語学習者に対して授業を行う上で実践的な技術や方法について学びながら、教案および教材教具を作成して、教壇実習を行います。また、地域連携として日本語学校の授業観察や公立小中学校に在籍している外国人児童生徒の日本語支援事業に参加して頂きます。

  1. 授業観察を通して、第二言語としての日本語教育を取り巻く環境を理解する。
  2. 地域の外国人支援事業に参加することによって、異文化理解を深める。
  3. 教壇実習を通して、現場で求められる直接法(初級レベル)を習得する。


卒業生の活躍

本学を卒業後、国内外で日本語教師として活躍している先輩諸君を紹介します。

写真

私が日本語教育に興味を持ったきっかけは、久留米大学に在学していた留学生との交流です。流暢に日本語を使いこなす留学生を見て、国内の日本語教育に興味を持ちました。そして、日本語学校での半年のアルバイトを経て、卒業後に日本語学校で講師になりました。教室に20人の学生が集まって授業を行うので、一見すると日本の学校と同じように感じますが、授業の中身が大きく異なります。普段当たり前のように使う言葉を別の言葉で説明することは、とても難しいです。しかし、その中で改めて日本語の奥深さや他言語との違いを感じることができます。言語教育に興味がある方はもちろん、海外に興味がある方には、とてもおすすめの職業だと思います。日本語学校は大半を外国人が占めているので、外国にいるような感覚になれます。また、訪日外国人が増えているので、日本語教育はさらに発展すると思います。日本語教育に関心を持つのにとてもベストな時期だと思います。

<くるめ国際交流学院:鹿目喬将>


写真

私は在学時、商学部商学科に在籍しており、当時は文学部も日本語教育学課程も設置されていませんでした。日本語教員になったきっかけは、留学生のお世話をさせていただいていたからで、色々な国の留学生と接するうちに台湾へ留学することとなり、現在に至っています。現在、少子化に伴い日本は労働力不足となっており、外国人の就業者は毎年増加しています。よって、日本語の学習者は特にアジアにおいて増加中です。もし、海外においての日本語教育従事希望者がいらっしゃいましたら、一つ言えることは、日本語教育以外の専門科目も必ず役立つと言うことです。私の経験上、地理・歴史・文化等の日本についてのあらゆる知識は、必ず日本語教育者にとって役立ちます。ですから、今後日本語教育関係に従事されようと考えていらっしゃる方は、日本語教育学は勿論ですが、自分の自信のある専門も身に着けることをお勧めいたします。

<静宣大學(台湾):山下昭洋>


海外実習の報告

本課程の日本語教育実習(国内)とは別に、文学部の希望者を対象に、台湾において日本語教育海外研修を行なっています。

写真
写真
写真
写真

2019−2024年度は新型肺炎のため止む無く中止となりましたが、2025年度より台湾の大学において教壇実習を再開する予定です。

よくある質問

本学を志望する高校生から、よくある質問をまとめてみました。

Q:私は将来、日本語教師になりたいのですが、久留米大学で勉強できますか?
A:日本語教師になりたい人のために、本学では「日本語教員養成課程」を設置しています。詳しい情報は以下の2点を開いてみて下さい。
https://www.kurume-u.ac.jp/faculty/topics/6498e8bc9edddb03261684ad/
https://www.kurume-u.ac.jp/student-affairs/liberalarts-info/class/info-4/

Q:「日本語教員養成課程」では、どんな勉強をするのですか?
A:日本語教師になるべく、外国人のための日本語の教え方や異文化理解について学びます。

Q:国語教育と日本語教育の違いは何ですか?
A:前者は日本人のためのもの、後者は外国人のためのものですから、客観的に日本語や日本文化を捉えることが求められます。例えば「私は田中です」と「私が田中です」という二文では、助詞だけが異なりますが、日本人はどのように使い分けているでしょうか。

Q:外国人に日本語を教えるには、外国語も必要ですか?
A:多国籍の日本語クラスであれば、基本的に日本語以外は使用しませんが、学習者の言語を多少なりとも知っていれば、いろいろな面で役に立ちます。

Q:「日本語教員養成課程」を修了すれば、どんな資格が取れるのですか?
A:令和6年4月1日より、「日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律」が施行され、登録日本語教員資格制度が始まります。登録日本語教員になるためには、本学の養成課程修了後、日本語教員試験を受験することが求められます。

Q:「日本語教員養成課程」を修了するには、どれくらいの期間が必要ですか?
A:コアになる必修科目は3つしかないのですが、段階的に履修することになるので、少なくとも3年(1年次から3年次まで)はかかります。

Q:実習はありますか?
A:1年次に「日本語教育概論」、2年次に「日本語教授法」を履修した人は、3年次に「日本語教育実習」があります。外国人を対象とした教壇実習や地域の外国人支援事業に参加することになります。

Q:教職課程(国語・英語・社会など)と同時に、「日本語教員養成課程」を履修することは可能ですか?
A:可能です。実際に同時履修している学生がいますが、時間を有効に使うことが必要でしょう。

Q:留学生でも「日本語教員養成課程」を履修することはできますか?
A:できます。修了後は帰国して、日本語を教えている人もいます。

Q:「日本語教員養成課程」を履修している人は多いのでしょうか?
A:毎年、10−15名前後です。履修している学生の多くは文学部(国際文化学科)に所属しています。

Q:「日本語教員養成課程」を修了後、考えられる進路は?
A:国内あるいはアジアを中心とした海外の日本語教育機関で教えるという道があります。英語圏では高度な英語能力が要求されます。

Q:日本語教師になるためには、教員免許状は必要ですか?
A:小中高校のような教員免許状は必要ありません。ただ、前述した通り、令和6年4月1日より、登録日本語教員資格制度が始まります。登録日本語教員になるためには、本学の養成課程修了後、日本語教員試験を受験することが求められます。

Q:久留米大学を卒業して日本語教師になった人は、どのくらいいますか?
A:正確には把握できていませんが、国内だけでなく海外で活躍している卒業生も少なくありません。

Q:「日本語教員養成課程」を修了すれば、卒業後すぐ日本語教師になれますか?
A:前述した通り、本学の養成課程修了後、日本語教員試験を受験することが求められます。また、日本語学校であれば、一般企業と同じように就活する必要があります。

問い合わせ先

久留米大学 教務課(mail:mii-kyomu@kurume-u.ac.jp)

〒839-8502 福岡県久留米市御井町1635

学部・大学院TOPICS

TOPICS:日本語教師になろう!