学部・大学院のTOPICS 文学部創立30周年記念 久留米大学・久留米市共催企画展「久留米俘虜収容所の風景 -あるドイツ将校の写真帳でたどる-」を開催

文学部創立30周年記念 久留米大学・久留米市共催企画展「久留米俘虜収容所の風景 -あるドイツ将校の写真帳でたどる-」を開催

今年、久留米大学文学部は創立30周年を迎えます。これを記念して、本学御井図書館が所蔵する貴重資料のなかから、大正4年(1915年)に久留米に設置された俘虜(ふりょ)収容所で撮影された写真の数々を紹介する企画展「久留米俘虜収容所の風景 ‐あるドイツ将校の写真帳でたどる‐」(企画代表:文学部教授 大庭卓也)を開催しています。

本展は久留米市との共催で行われており、本学御井図書館1階展示室(第1会場)に加え、六ツ門図書館展示コーナー(第2会場)で久留米市所蔵の資料も見ることができます。

日本は第一次世界大戦で中国のドイツ租借地だった青島を攻略し、守備兵約5000人を俘虜としました。俘虜は日本各地の収容所に移送され、久留米収容所には最大規模の約1,300名が収容されました。俘虜はヴェルサイユ条約により本国に送還される大正9年(1920年)まで収容所生活を送り、その久留米収容所の室内楽グループのリーダーでピアニストだった将校エドゥアルト・ヴィル氏が大切に保管していた写真を中心に展示した企画展です。

六ツ門図書館展示コーナーでの展示の様子
六ツ門図書館展示コーナーでの展示の様子
六ツ門図書館展示コーナーでの展示の様子

写真には、収容所でスポーツ祭典や演奏・演劇会や美術・工芸などの展示会なども楽しんでいた様子がおさめられ、外出や遠足などで地域住民と触れ合う様子などから、地域と密接にかかわっていたこともうかがい知ることができます。

企画展を訪れた学生からは、「久留米にこのような収容所があったことを初めて知り、これほど多くのドイツ人が集団生活をおくっていたことに衝撃を受けた」「捕虜といっても思ったより自由があり、当時のドイツの進んだ技術を日本に伝えてくれていたことも分かった」といった声が聞かれました。

御井図書館での展示の様子
御井図書館での展示の様子
御井図書館での展示の様子

この企画展を立案した大庭教授は、「明治維新から昭和二十年の終戦にいたる歴史は、現代の日本人にとって最も密接にかかわるはずだが、高校までの歴史の授業では充分な時間をかけて教えない場合が多い。この点はわが国の歴史教育の問題点であり、二つの世界大戦における日本の動向についても、偏りのない視点のもと教授されているのかどうか、不安も感じられるところである。そうした思いから、私の専攻は江戸時代の文学だが、自身も大いに勉強しながら企画展の準備に取り組ませていただいた。本学の学生はもとより、若い世代の人々にこの展示を見ることで、久留米の、そして日本近代史の一断面を知るきっかけとしてもらいたい。また本企画展は、地域の方々の生涯学習の場として『SDGs4:質の高い教育をみんなに』にもつながるものとも考えている」と企画展への思いをコメントしました。
この展覧会は、以下の日程で開催されています。是非お立ち寄りください。

会場・開催期間

第1会場:久留米大学御井図書館1階展示室 (久留米市御井町1635)

令和4年10月9日(日)~12月20日(火) 9:00~17:00 ※休館日 11月3日(木・祝)・23日(水・祝)

第2会場:六ツ門図書館展示コーナー (久留米市六ツ門町3-11)

令和4年10月9日(日)~11月7日(月) 10:00~18:00 ※休館日 水曜日(祝日は開館・第4木曜日)

主催

久留米大学、久留米市

お問い合わせ先

久留米大学御井図書館 TEL/0942-44-4015 FAX/0942-43-0348
六ツ門図書館 TEL/0942-27-9281 FAX/0942-27-7281

イベントポスター
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