研究・産学官連携の研究TOPICS 医化学講座の杉島准教授が日本結晶学会学術賞を受賞

医化学講座の杉島准教授が日本結晶学会学術賞を受賞

2024年11月、医化学講座の杉島正一准教授が、日本結晶学会学術賞を受賞しました。この賞は、結晶学分野での優れた研究成果や学術貢献が認められた研究者に授与されるもので、杉島准教授の長年にわたるポルフィリン類の代謝酵素に関する研究が高く評価されました。

杉島准教授の研究は、生命の維持に重要な役割を果たす酵素の機能や働き方を明らかにすることを目指しており、特にその反応の仕組みに焦点を当てています。ヘムの分解に関わる酵素の動きを調べ、その仕組みを解明するための実験手法を活用し、新しい知見を得ることに成功しています。ヘムの分解反応は打撲時のアザの色の変化に見られる身近な現象ですが、からだの中の鉄分の維持や活性酸素除去にも関わる重要な代謝反応です。また、植物などの光合成を行う生物に特有のヘムやクロロフィルの分解に関わる酵素の構造解析にも取り組み、酵素がどのように反応するかについて研究を進めてきました。

杉島准教授のこれらの業績は、結晶学および構造生物学分野の発展に寄与し、今回の受賞に相応しいものとされ、受賞に至りました。

杉島准教授のコメント

日本結晶学会は、1950年に創立された伝統ある学会で、毎年数名の研究者に日本結晶学会賞を贈呈しています。私は「ポルフィリン代謝酵素群の構造生物研究」という研究課題に対して本賞を授与されました。生物で使われているポルフィリン類としては、ヘモグロビンに結合している色素であるヘムや、光合成色素であるクロロフィル(葉緑素)が有名ですが、私はこれらの分解に携わる酵素のX線や中性子線を使った立体構造決定を通して、その働きの原子レベルでの解明に携わってきました。今回の受賞を励みに、より一層研究・教育に邁進していく所存です。

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