地域貢献のTOPICS 「オレンジ健康フェスタ~人生100年時代をどう生きるか、どう備えるか~」開催(福岡県認知症医療センター久留米大学病院主催)

福岡県認知症医療センター久留米大学病院の主催(福岡県医師会、久留米市、エーザイ株式会社共催)による認知症をテーマにしたイベント「オレンジ健康フェスタ」が、2/26に久留米シティプラザで開催されました。
今回は、会場とオンラインによるハイブリッド形式で開催、本学と連携協定を締結している明治安田生命保険相互会社様などによる測定・体験コーナー(VR機器による病気の症状の疑似体験、血管年齢、フレイルチェック、認知機能チェック、理学療法士による相談ブースなど)の後、認知症に関する特別講演と専門家によるパネルディスカッションが行われ、多くの方にご参加いただきました。


特別講演を前に、本学の内村直尚学長が主催者を代表して挨拶し、医学部神経精神医学講座の小曽根 基裕 教授を座長に、九州大学病院 精神科神経科 診療准教授の小原 知之先生に「認知症に負けない-リスク低減に必要なもの」と題してご講演いただきました。講演では、認知症にならないようにするために、高血圧や糖尿病などの生活習慣病とならないような生活をすることや、そのための多様性に富む食事やの大切さ、「人間は社会的な生きもの」であるがゆえの、社会との関わりの重要性などが伝えられました。


その後に行われたパネルディスカッションでは、本事業を主管する高次脳疾患研究所の小路 純央教授を座長に、3名のパネリスト(久留米市老人クラブ連合会 会長 松栄 磐氏、NPO法人久留米市介護福祉サービス事業者協議会 事務局長 吉永 美佐子氏、公益社団法人 久留米市シルバー人材センター 理事長 奈良﨑 洋治氏)と講演者の小原先生をコメンテーターとして「人生100年時代をどう生きるか、どう備えるか」をテーマに会場も交え議論がなされました。


老人クラブでの生きがいづくりともなるさまざまな活動や、介護福祉事業者として認知症の方と接する立場でのご経験、「仕事」という社会との接点となる場を提供する久留米市シルバー人材センターの現状などが紹介され、ディスカッションでは、会場からの質問や今後に向けた思いなどからさまざまな議論が展開し、参加者の感心の高さがうかがわれました。
「認知症にならないためには、『生きがい』や『人との接点が』大事であり、ちょっとした変化にいかに気付いてあげられるか、といった周りの目も重要となる。また、認知症になっても差別をしたりすることのないよう、地域の方お互いが見守って安心して過ごせる街づくりをすることで、みんなで人生100年を生きられるようになれば」と小路 純央教授がイベントを締めくくりました。
参加者からは「地域の活動などにあまり参加されていない身近な方に声をかけていきたい」「これからの地域についてみんなで考えるよい機会となった」といった声も聞かれ、大変意義のあるイベントとなりました。なお、本イベント開催にあたり、後援いただいた企業・団体をはじめ多くの皆さまにご支援をいただいており、厚く御礼申し上げます。