地域貢献のTOPICS 2022年度の高校生向け「がん教育出前授業」がスタート

2022年度の高校生向け「がん教育出前授業」がスタート

久留米大学では、2018年度から高校生を対象とした「がん教育の出前授業」を実施しています。2022年度の出前授業が10月6日に福岡県立朝倉東高等学校でスタートしました。

日本は長寿国ですが、国民の2人に1人が生涯に何らかのがんにかかっています。健康に安心して暮らせる社会を創るには、がんについて正しい知識と理解が必要で、文部科学省も、がん対策基本法に基づき、小中高生に対するがん教育を義務付けています。

出前授業では、医学部の教授がそれぞれの専門分野を生かした講義で「がん」に対する知識を高校生に分かりやすく説明し、高校生という早い時期にがんに関する正しい知識を得てもらうことで、生活習慣を整えるなど、がんを予防し、検診による早期発見や適切な治療に繋げることを目的としています。

今年度は、これまで福岡県の公立・私立校に行っていた公募を佐賀県にも広げ、応募のあった9校(定時制を含む)で出前授業を行います。特に福岡県高等学校保健会筑豊支部の加盟校では、18校が連携してライブ配信を行うこととなるなど、取り組みが広がりを見せています。

講義内容は、文部科学省の「外部講師を用いたがん教育ガイドライン」に沿ったもので、「がんとは」「がんの統計」「がんの診断」「標準的ながん治療法」「がんの先端医療」「がん予防」「子宮頸がん予防ワクチン」といった内容で高校生にも分かりやすい授業を展開していきます。

先端癌治療研究センター山田教授の講義の様子
先端癌治療研究センター山田教授の講義の様子

10月6日に行った朝倉東高等学校での第1回目の講義には、先端癌治療研究センター前所長の山田亮特命教授が登壇し、「がんは誰もがかかる可能性のある身近な病気だが、日常生活を続けながら治療できる時代になってきた。正しい知識をつけることで誰もが安心して生きていける『次代』を創っていってほしい」とメッセージが伝えられました。

授業を受けた高校生からは「2人に1人ががんになることを知り、よりがんが身近に感じられた」「治療法や予防のために生活習慣を見直すことや検診で早期発見できることなど新たなことも学ぶことができた」「少しでもがんのリスクを減らすため、生活習慣を見直したり、ワクチンを受けるなどして、がんの予防をしていきたい」といった声が聞かれました。

今年度の予定

高校名 講義実施日 担当教授 担当教授の専門

福岡県立朝倉東高等学校 10月6日(木) 山田 亮  腫瘍免疫学

佐賀県立神埼清明高等学校 10月31日(月) 牛嶋 公生 産婦人科学

福岡県立鞍手高等学校(定時制) 11月7日(月) 赤木 由人 外科学

福岡雙葉高等学校 11月17日(木) 溝口 恵美子 免疫学

佐賀清和高等学校 11月21日(月) 秋葉 純  病理学

龍谷高等学校 11月24日(木) 山田 亮  腫瘍免疫学

福岡県立香椎工業高等学校 12月13日(火) 小松 誠和 免疫学

福岡県立田川科学技術高等学校(福岡県高等学校保健会筑豊支部)12月13日(火) 古賀 浩徳 消化器内科

福岡県立小倉工業高等学校 12月21日(水) 主藤 朝也 外科学