地域貢献のTOPICS NPO法人くるめSTPの活動が文部科学大臣表彰を受賞 (医学部小児科学講座主任の山下裕史朗教授)

NPO法人くるめSTPの活動が文部科学大臣表彰を受賞 (医学部小児科学講座主任の山下裕史朗教授)

小児科学講座主任の山下裕史朗教授と 広島国際大学・臨床心理士の向笠章子教授

NPO法人くるめSTPが実践してきたADHD児のための夏期治療プログラムが、令和4年度「障害者の生涯学習支援活動」に係る文部科学大臣表彰を受賞し、12月6日にオンラインで表彰式が行われました。

NPO法人くるめSTP

NPO法人くるめSTPは、医学部小児科学講座主任の山下裕史朗教授を実行委員長、広島国際大学・臨床心理士の向笠章子さんを理事長として、ADHDのある子どもたちが、学校生活によりよく適応するために必要な学習やスポーツ、対人関係等のスキル獲得や自分の感情をコントロールする力を育成することを目的とした治療プログラムで、17年の活動実績があります。

この治療プログラムは、久留米大学医学部、看護学科、文学部心理学科、高次脳疾患研究所などが関係しており市および教育委員会と協働して実践してきました。 

オンライン表彰式の様子
オンライン表彰式の様子

オンライン表彰式で伊藤孝江文部科学大臣政務官は「障害のある方々が生涯にわたって学び続け、地域でさまざまなつながりを得ることは、人生の可能性を広げより充実した生活を送るための糧となります。今回表彰を受けられた皆様におかれてはこれまで培ってこられた豊かな知見と経験を生かし、各地域で今後も力添えをいただきますようお願い申し上げます」と54組の受賞者にお祝いの言葉を述べられました。

今回の受賞について向笠先生のコメント

この活動は山下先生を中心に医師看護師の医療領域、私のように臨床心理士・公認心理師を中心とする心理領域、特別支援学級等に勤務している現職の先生方などの教育領域、そして久留米市と、さまざまな人間がそれぞれの専門知識を活かしてワンチームとなって動いています。また医学科、看護学科、心理学科の学生たちもこのプログラムのメインとなって動いています。学生たちが引き継いできた経験がコロナで中断されてしまっているので、再度立ち上げるのは大変なことですが、このプログラムを待っている児童、親御さんもいますし、また学生たちにとっても大変良い学びの場となっていて、活動の意義は大きいと思います。


小児科学講座主任の山下裕史朗教授と 広島国際大学・臨床心理士の向笠章子教授

今回の受賞について山下先生のコメント

私はニューヨーク州立大学でペラム教授が実践されていたこのサマートリートメントプログラム(STP)と2003年に出会い、2005年に北米以外では世界初の「くるめSTP」を立ち上げました。この活動を長年続けられたのは、バッファロースタッフや久留米市教育委員会、熱心な教師の皆様、スクールカウンセラーとして活躍している臨床心理士のグループ、久留米大学文学部心理学科学生、松石豊次郎名誉教授はじめ小児科神経グループや看護学科の仲間、多くの学生ボランティアなど、さまざまなバックアップのおかげです。全国的にも珍しい多職種共働のプロジェクトだと思います。コロナ感染症もありここ3年はオンラインでの活動しかできていませんでしたが、今回の受賞は来年のSTP再開に向けた励みになりました。

山下教授

今回の表彰が、障害のある、ないに関わらず、すべての人がお互いの人権や尊厳を大切にし、支え合い、誰もが生き生きとした人生を送ることができる「共生社会」の実現に向けて、大きな弾みとなることを願っています。

「NPO法人くるめSTP」HP→ NPO法人くるめSTP

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