地域貢献のTOPICS 先端イメージング研究センター「夏休み顕微鏡体験ワークショップ」

先端イメージング研究センター「夏休み顕微鏡体験ワークショップ」

本学の医学部先端イメージング研究センターは、全国でもいち早く電子顕微鏡を導入した長い歴史を誇るとともに、高い技術力を維持してきました。現在も「FIB/SEMトモグラフィー」といった生体組織を三次元再構築できる技術があるのが強みで、大学や企業などから多数の共同研究を受け入れています。

その先端イメージング研究センターでは、将来を担う子どもたちに科学の面白さを伝えるべく、毎年「夏休み顕微鏡体験ワークショップ」を開催しています。今年は公益社団法人日本顕微鏡学会との共催で開催、7月22日、23日の2日間にわたり、22組、約70名の皆さまにご参加いただきました。

講師を務めた先端イメージング研究センター長 太田 啓介教授
講師を務めた先端イメージング研究センター長 太田 啓介教授
講師を務めた先端イメージング研究センター長 太田 啓介教授
真剣に顕微鏡を観察する子どもたち
真剣に顕微鏡を観察する子どもたち
真剣に顕微鏡を観察する子どもたち

毎年夏休みに開催しているこのワークショップは、親子・ご家族みんなで楽しめるイベントで、顕微鏡の使い方や観察のコツを学びながら、小さな世界の不思議や美しさを発見することができます。今年の目玉は小魚の透明化への挑戦でした。

「透明化」は魚の体を特殊な液体に浸すことで、透明にする不思議な現象で、いまイメージングでとても注目されている技術です。子供たちには、防護ゴーグルと手袋をして実際に実験してもらい骨を染色、研究者の気持ちになって複雑な魚の骨格を細かく観察してもらいました。まるで生きたまま解剖したような感覚で観察することができました。

透明化された魚の標本
透明化された魚の標本

その他にも、子供たちが持ち寄ったものを高性能な電子顕微鏡で観察したり、スマートフォンのレンズ部分にプレパラートと水滴をつけることで顕微鏡を作ってその原理を学んだり、子供たちは目を輝かせながら実験に挑戦しました。 

ゴーグルと手袋をつけて透明化の実験に挑戦する様子
ゴーグルと手袋をつけて透明化の実験に挑戦する様子
スマートフォンに置いたプレパラートにグリセリンの滴をつけて顕微鏡代わりに観察するワークショップ
スマートフォンに置いたプレパラートにグリセリンの滴をつけて顕微鏡代わりに観察するワークショップ
今回のワークショップに使った実験道具
今回のワークショップに使った実験道具

プログラム:

  1. ミクロの世界のお話 透明化標本の作製
  2. 電子顕微鏡 or スマホ顕微鏡
  3. その他のワークショップ(以下のメニューから好きな物を選んで実践):
    ・超簡単ビーズ顕微鏡づくり
    ・高速ゾウリムシをおいかけろ!
    ・実体顕微鏡で拡大(各自採取された試料を観察しましょう)
    ・自分の細胞を観てみよう(皮膚や口の中から自分の細胞をとりだして観察)
    ・気孔を観察しよう(超簡単スンプ法で気孔など、鋳型を作って観察)
    ・電子顕微鏡で観察しよう(走査型電子顕微鏡で、いろんな物を観てみよう)
持ち寄ったものを電子顕微鏡で観察するワークショップ
持ち寄ったものを電子顕微鏡で観察するワークショップ
電子顕微鏡で見た映像
電子顕微鏡で見た映像

このワークショップで学んだことを生かして、自由研究のコンクールで金賞をとったお子様もおられ、今回も「前回楽しかったのでまた参加した」というお声や、参加後のアンケートでも「驚きや発見があった」と回答された方が9割と大変嬉しい結果でした。今後も先端イメージング研究センターでは、お子さまの科学への興味を育むとともに、親子での夏休みの思い出となる楽しいイベントを企画してまいります。