地域貢献のTOPICS 久留米大学医療センターで「市民健康フォーラム2023」地域の健康づくりを支援

久留米大学医療センターで「市民健康フォーラム2023」地域の健康づくりを支援

久留米大学医療センターでは、地域の皆さまの健康促進・予防に貢献することを目的とした市民公開講座を毎年開催しています。この数年コロナの影響により開催を見送ってまいりましたが、7月15日、対面とオンラインのハイブリッド形式で4年ぶりに開催しました。

会場の医療センター
会場の医療センター
座長を務めた惠紙英昭病院長
座長を務めた惠紙英昭病院長

講演内容

1.『あなたの肝臓大丈夫ですか?』
 井出 達也(医療センター消化器内科 副院長)

 医療センター副院長の消化器内科 井出達也教授が、肝炎・肝がんの患者数などの状況や、B型、C型肝炎の治療方法と実績、肝がんの原因にもなる脂肪肝、アルコールの肝臓への影響などについて分かりやすく解説しました。食事の摂りすぎにより余分な糖質や脂質が肝臓に蓄積されることで脂肪肝になり、それを放っておくことで肝硬変、さらには肝がんとなる可能性があるため、そうならないための食事や運動について説明しました。運動の一つとして、大学病院内科学講座(消化器内科)の川口巧教授らが考案した肝炎体操なども紹介されました。また、アルコールの摂りすぎは、肝臓以外にもさまざまな病気を引き起こすため、適量を意識した飲酒についても説明がなされました。

井出教授による講演の様子
井出教授による講演の様子

2.『高齢者に多い睡眠障害』~不眠症、むずむず脚症候群、レム睡眠行動障害について~
 土生川 光成(医療センター精神科 准教授)

精神科土生川光成准教授が、高齢者に多い睡眠障害について解説しました。まず不眠について理解するために、睡眠周期である、脳を休める「ノンレム睡眠」と夢をみて脳が活発に動く「レム睡眠」について説明した上で、加齢に伴い中途覚醒が増え睡眠が劣化するために、高齢者では些細なストレスでも不眠症になりやすく慢性化しやすいことが説明されました。そのうえで、不眠症の治療には、睡眠薬を適切に使った薬物療法に加え、よい睡眠をとるために「日頃からベッドの上で多くの時間を過ごさない」「就床・起床時刻を一定に保つ」といった睡眠衛生指導も必要であることが伝えられました。その他、高齢者に多い「むずむず脚症候群」と「レム睡眠行動障害」を紹介し、レム睡眠行動障害とパーキンソン病、レビー小体型認知症の関係についても説明されました。

土生川准教授による講演の様子
土生川准教授による講演の様子

3.楽しくできる認知症予防(看護部リソースナース会)

2つの講演後には、医療センターの看護部リソースナース会による「楽しくできる認知症予防」と題した健康講座で、会場の皆さまと、家庭でできる認知症予防のための簡単な体操を行いました。

写真右から2番目が中島氏
写真右から2番目が中島氏
リソースナース会による認知症予防の講座

リソースナース会は、日本看護協会認定の認定・専門看護師(看護管理、感染管理、緩和ケア、慢性心不全、がん化学療法、皮膚・排泄ケア、認知症看護、老人看護)の資格を有する看護師により構成されているもので、日々発生する患者さんやご家族を取り巻く問題に対し、問題解決を目指すため専門知識や技術で支援しています。医療センターでは、このリソースナースを中心に健康相談やケア相談、療養相談を受ける「看護外来」も開設しており、院内での定期的な健康講座などとともに、皆さまの健やかな生活をサポートしています。

 今回は、認知症看護認定看護師である中島純子氏が「楽しくできる認知症予防」と題して講演し、参加者の皆さんとクイズ形式で楽しく認知症の基礎知識を学んでいきました。最後に皆さんと、家庭でもできる認知症予防となる体操で体を動かしながら、楽しく認知症について学ぶ健康講座となりました。

 今後も、「心が通い、信頼される医療」を目指す医療センターでは、市民公開講座も含めさまざまな取り組みで、地域の皆さまの健康づくりを支援してまいります。

チラシ

地域貢献TOPICS

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