地域貢献のTOPICS 久留米大学医療センターが「健康寿命延伸」をテーマに市民公開講座を開催

運動・栄養・血圧管理の観点から「健康寿命」を延ばすヒントを紹介
7月19日、久留米大学医療センターにて、「明日の健康を語ろう」と題した「第19回市民公開講座」が開催され、オンラインでの参加を含め、多くの地域住民の皆さまにご参加いただきました。
今回は、糖尿病センターの医師をはじめ、管理栄養士、看護師がそれぞれの専門的視点から講演を行い、運動・栄養・血圧管理の観点から「健康寿命」をのばすヒントや、日常生活でできる健康づくりについて分かりやすく紹介しました。
「健康寿命」とは、心身ともに自立し、健康的に生活できる期間を指します。平均寿命が延びる中で、この健康寿命を延ばすことは、個人の生活の質(QOL)を高めるだけでなく、医療・介護負担の軽減にも繋がるとされています。



【講演】「『健康寿命を延ばすための生活習慣とは?』 ~運動療法を中心に~」 講師: 和田 暢彦(糖尿病センター 講師)
まず糖尿病センターの和田暢彦講師が、「『健康寿命を延ばすための生活習慣とは?』 ~運動療法を中心に~」と題し、運動の重要性について講演しました。
日常生活での運動や、「NEAT(非運動性熱産生)」と呼ばれるちょっとした身体活動の積み重ねが、筋力や認知機能、血糖管理に与える好影響について、具体的な研究データや実践例を交えて解説。血糖値を改善するための食後の運動のタイミングや、ショッピングモールを活用した「モールウォーキング」、転倒予防のための足腰の鍛え方などを紹介し、「運動と意識せずに、まずは、“座る時間を減らす”ことから始めてみましょう」と運動習慣の大切さを強調しました。


【講演】「『健康寿命を延ばす!運動療法・食事のすすめ』 ~高齢化社会を生き抜く健康戦略~ 」 講師:坂口 美紀 (栄養室 副部長補佐)


続いて、栄養室 副部長補佐の管理栄養士 坂口美紀氏が登壇し、今日から取り組める実践的な栄養管理について講演しました。筋肉量を維持するための食事バランスや減塩の工夫、簡単にできるレシピの紹介などを行いました。
ふくらはぎの大きさを両手で囲む「輪っかテスト」で自身の筋肉量を日々意識しながら、たんぱく質を意識したバランスの良い食材と適量の食塩による「健康的な食生活」を日々積み重ねることの重要性について、わかりやすく説明。「健康寿命を延ばすことは、ご自身だけでなく、周囲のQOL(健康の質)も高め、医療・介護負担の軽減にも貢献する。今日からできる一歩を踏み出してほしい」とメッセージを伝えました。
講演後には多くの質問が寄せられ、食生活に関する関心の高さがうかがえました。
講演終了後 「『正しい血圧測定方法を知ってますか?』 ~血圧測定のポイントを学びましょう~」 看護部・リソースナース会


講演後には、「看護部・リソースナース会」によるセッションが行われました。リソースナース会とは、特定の分野で高度な知識と技術を持ち、患者や家族に寄り添いながら質の高いケアを提供する認定・専門看護師で構成された会です。
久留米大学医療センターでは、リソースナース会を組織し、看護の質向上を目的とした勉強会の開催や、院内外での支援活動を展開しています。
今回のセッションでは、慢性心不全看護認定看護師の本山公子氏が登壇し、「血圧とは」「高血圧のリスク」という基礎知識から、健康を維持していくための血圧測定と記録の習慣化の勧め、そして血圧の正しい測定方法についてのレクチャーを行いました。測定時の姿勢やタイミング、注意点など、普段何気なく行っている血圧測定の適切な方法を詳しく説明し、さまざまな病気の引き金となる高血圧の改善方法である「運動」「減塩」「飲酒量の制限」などについても解説しました。
講座の最後には、リソースナース会の代表者でもある原﨑礼子看護部長が参加者への謝辞を述べ、閉会となりました。久留米大学医療センターは、今後も地域の皆さまに寄り添い、安心して暮らせる地域社会の実現に向けた活動を続けてまいります。



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