大学院 医学研究科修士課程

修士課程概要(医学研究科)

1. 目的

本研究科修士課程は、広い視野に立って医学・医療の精深な学識を授け、看護学、基礎医学、社会医学、分子生命科学およびバイオ統計学における教育者・研究および高度な職業人の養成を行うことを目的とし、平成13年度に開設されました。平成28年度からは2専攻(医科学専攻・看護学専攻)4学群2コースを有しています。
 本課程で養成する者のバックグランドとしては、医学・医療に貢献することを目指す、あらゆる学部の大学卒業者を広く対象としています。例えば、看護学部、農学部、薬学部、栄養学部及び理工系学部の出身者、及び社会福祉学部、人文・社会系学部卒業者で医学・医療関連分野の業務経験者を対象としています。
 なお、薬学部出身者については、4年制課程を修了した者を対象としています。

2. 標準修業年限

2年間 但し、長期履修学生は3年間

3. 授業科目単位の修了要件

30単位

4.本学修士課程の現状

※平成27年度まで

(1)入学者の推移

※( )囲み数字は女子学生数を示す。

専攻 学 科 定員 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 平成28年
入学者の推移
医科学  基礎医学群 10名 2 (0) -

3 (2)

2 (1) 1 (0) 1 (0)

2(1)

 社会医学群 2 (0) 1 (0) 2 (0) 2 (0) 3 (0) 6 (1) 3(1)
 分子生命科学群 - - - - - 1 (1) 1(1)
 バイオ統計学群 5 (3) 2 (0) 9 (3) 5 (4) 6 (4) 3 (1) 3(1)
臨床看護学群 20 (18) 6 (6) 4 (3) 3 (1) 9 (8) 10 (9) -
看護学 修士論文コース  15名 - - - - - - 4(3)
専門職養成コース - - - - - - 18(17)
合 計 29 (21) 9 (6) 18 (8) 12 (6) 19 (12) 21 (12) 31(25)

(2)平成30年度在籍状況(5月末日現在)

 ※( )囲み数字は女子学生数を示す。

専攻 学 科 1学年 2学年 合計
平成30年度在籍状況(5月末日現在)
医科学  基礎医学群 1 (0) 2 (1) 3  (1)
 社会医学群 4  (2) 2  (0) 6  (2)
 分子生命科学群 - - -
  バイオ統計学群 5  (1) 4 (1) 9  (2)
臨床看護学群 - 4 (3) 4 (3)
看護学 修士論文コース 1 (0) 10(8) 11 (8)
専門職養成コース 9 (8) 20(17) 29 (25)
合 計 20 (11) 42 (30) 62 (41)

修士課程カリキュラム

修士課程における3つのポリシー

  • アドミッションポリシー(入学者受け入れ方針)
  • カリキュラムポリシー(教育課程の編成・実施の方針)
  • ディプロマポリシー(学位授与の方針)

カリキュラムの概要

(1)カリキュラム制度の概要・修了要件について

 修士課程には平成27年度までは医科学専攻として5学群設置しており、平成28年度からは医科学専攻と看護学専攻の2専攻4学群2コースを有しています。修士課程は履修制度になっており、このうちバイオ統計学群を除く学群を主科目としている者は基礎科目・専門科目を規定に従い履修することになります。
 また、バイオ統計学群を主科目としている者は、表記の修了要件に従い履修することになります。

本学の特色ある大学院教育について

 特に修士課程において近年取り組みを始めた教育内容について紹介します。

(1)リサーチナース(Crc)養成ユニットの設置

 現在多くの臨床試験が大学病院で実施されていますが、臨床試験に関して知識の乏しい医師や看護師がこれらの臨床試験に従事しているのが現状のようです。そこで、本学では 「リサーチナース(Crc)養成ユニット」を設置し、リサーチナースとしての実践指導を行い、高レベルのリサーチナースの育成を図っています。

(2)先端的・分野特異的研究手法体験ユニットの設置

 生理系講座を中心に、一般的実験のほかに各講座で特殊な装置を使用した特有の実験に横断的に参画することにより、基礎的教養を高め、幅広い実験手法とその意義を学ぶことを目的としたユニットが平成19年4月より開設されています。

(3)バイオ統計学群の開設

 わが国における医学研究および医薬品開発研究などにおいて、バイオ統計学研究者の量的および質的不足は、学術研究のみならず広く産業界における国際競争力の不足に連なるきわめて重要な戦略的課題として、近年認識されています。このような現状に鑑み、本学では、大学院医学研究科修士課程医科学専攻の中に平成16年4月より「バイオ統計学群」を設け、国際的標準と見なされている米国に準じるバイオ統計研究体制の確立を図り、もって有能な人材の育成に資することを目的とします。

(4)リハビリテーションバイオメカニクス学の開設

 現在わが国のコメディカル分野のうちリハビリテーション分野は、高齢化社会や複雑・高度化する医療現場の担い手として注目されているものの、高度化する医療に対応し切れていない部分があります。このような背景から、本科目を平成19年4月より開設し、高度な職業人及び教育者の養成を実施しています。また、リハビリテーション医療におけるEbmの実践に注目して、人体の運動機能、すなわちバイオメカニクスを客観的かつ科学的に評価する方法の習得を、評価の実際、データ取得、データ処理、統計処理、論文作成・発表といった一連のリハビリテーションにおけるバイオメカニクスの科学的評価に特化した講義を実施しています。

(5)「がん看護分野 Cns養成」(※28年度より)

 平成20年度より、修士課程臨床看護学群がん看護論に「がん看護専門看護師教育課程」を開設し、がんの専門職業人を養成するスペシャリストコースとして期待されています。専門看護師「がん看護」受験に必要な履修科目を設けた本教育課程は、高度実践看護師教育課程(38単位)として日本看護系大学協議会より正式に認定を受けています。また、本課程は、平成29年度がんプロフェッショナル養成プランへの共同採択により、大学の特色を生かした教育プログラムを構築し、がん医療の新たなニーズに対応できる優れた「がん専門医療人材(がんプロフェッショナル)」育成に寄与すべく、平成30年度から緩和ケア地域連携教育論を組み込んだ履修内容としています。

がん看護分野CNS養成コースのホームページはこちら

(6)「感染症看護分野 CNS養成・国際実践」(※28年度より)

 世界的に感染症の問題が重視され、その感染予防管理においても専門性を持つ看護職者の果たす役割が大きく期待されています。これらの役割遂行に必要な高度な専門知識と実践能力を合わせ持ったスペシャリストの養成を目標に、本学では、平成21年度より修士課程臨床看護学群臨床基礎看護論に「感染看護専門看護師教育課程」を開設し、平成22年度、日本看護系大学協議会より専門看護師教育課程(26単位)として認定を受けました。「感染看護専門看護師教育課程」は12課程(平成25年4月)と少なく、西日本地区では2番目、九州では本課程がはじめて認定をうけることができました。(※平成29年に高度実践看護師教育課程(38単位)として正式に認定を受けています。)

感染症看護専門看護師(CNS)教育課程のホームページはこちら

(7)「老年看護分野 Cns養成」 (※28年度より)

 高齢社会を迎え、高齢者の健康問題に対する医療やサポートシステム等に看護職者の果たす役割は一層期待されるようになっています。これらの役割遂行に必要な生活環境・家族関係等の支援に係る専門知識と実践力を身につけたスペシャリストの養成を目標に、本学では、平成22年度より修士課程臨床看護学群老年看護論に「老人看護専門看護師教育課程」を開設し、平成23年度、日本看護系大学協議会より専門看護師教育課程として認定を受けました。九州(沖縄を除く)で初めての老人看護分野の専門看護師教育課程が誕生したこととなります。。(※平成29年に高度実践看護師教育課程(38単位)として正式に認定を受けています。)

(8)「小児看護分野 Cns養成」 (※28年度より)

 様々な健康問題を抱え、施設だけではなく学校を含め地域社会で生活する子どもが増加している社会において、看護師の果たす役割が期待されています。高い倫理観や判断力、高度な知識と熟練した看護技術を用いて、生活する全ての場において子どもや家族のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)の向上を目的とした看護ケアを提供するスペシャリストの養成を目標に、本学では、修士課程臨床看護学群小児看護論に「小児看護専門看護師教育課程」を開設し、平成26年度、日本看護系大学協議会より専門看護師教育課程(38単位)として認定を受けました。

(9)「助産学分野 助産師資格・上級実践」の開設(※28年度新規課程)

 妊娠期・分娩期・産褥期・乳幼児期における母子及び家族の健康問題を診断・支援するために必要な理論と技術を学び、増加するハイリスク妊産褥婦・乳幼児に周産期医療チームとともに対応できる「助産実践能力」と「管理能力」を持つ高度専門職業人(助産師)の育成を目指します。これらのマタニティケアとともに、女性の生涯にわたる性と生殖に関する健康を支援するウィメンズヘルスケアの探求を図ります。さらに、高度なケア・支援の開発・探求に必要な「研究」を通して、生涯を通じた高度専門職業人として自律し、助産学の進化に貢献できる人材の育成を目指し、2つのコースを開設しました。

1.助産師資格コース

 助産学分野基礎科目をベースに、それに連続して周産期ケアや女性の健康支援について学修を深めることにより、高度な助産実践能力を有する助産師の育成を目指します。本カリキュラムは、厚生労働省の基準に沿って助産師の国家試験に必要な履修科目を配置しています。

2.上級実践コース

 教育・実践によるスキルアップを行い、より高度な助産実践能力を修得できるよう、リカレント教育を行います。

助産師養成コースのホームページはこちら